2022年09月02日

スプリング・ベルト

 最近の話題としては、表題の駆動装置の意味を考える機会があった事だ。
 コメントの質疑応答で答えてしまったが、筆者はスプリング・ベルトというものの価値を認めていない。中学1年の頃だが、EB型電機で貨車を牽かせて、スプリング・ベルトの有無で、牽引力がどれくらい違うのかを調べた。結果は、ほとんど差がなかったのだ。

 軸重はモータの重さが掛かる動軸側が大きく、被駆動軸は小さい。ベルトはプーリィに差し掛かる部分で伸びたり縮んだりする。その摩擦損失は大きいだろう。その時の回転速度を比べると、駆動軸の回転速度は被駆動軸より1割以上速いだろう。速くなければ、ベルトによる駆動力は伝わらない。

 ということは、最大限にモータに給電した場合、被牽引車の速度に合わせて被駆動軸は回るが、モータから直接駆動される動軸はスリップしている可能性が高い。その時、駆動軸の車輪は動摩擦であるから、牽引力は損なわれている。
 というわけで全ての得失を合わせると、ベルトの有無でそれほどの違いを感じることが出来なかったというわけだ。

 友人のED電機の片方の台車だけの場合は、同じ重さになるように補重した時、牽引力ははるかに大きかった。それはインサイドギヤで駆動していたからだ。この結果を見て友人は大変感心した。その友人は若くして他界したが、亡くなる直前までその話題がよく出た。

 ベルト駆動は滑らない構造(Vベルトなど)と伸びないベルトが無いと、まともな動力伝達はできない。すなわち、ゴムベルトは張力が小さい部分(モータからの初段部分)には便利に使えることもあるだろうが、動軸を結ぶのはやめたほうが良いことになる。   

コメント一覧

1. Posted by 読者   2022年09月02日 10:29
ということは、コグドベルトを最終段(動軸)に使うのは理にかなっているのですね。でもそういうサイズのプーリーは売っているのかな。

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