2022年08月19日

stress release

 日本製のディーゼル電気機関車は繊細な仕上がりで、素晴らしい出来である。しかし、全体がエッチングされた板で出来ているので妙に柔らかい。剛性がないので、ボディを持つと少し撓む感じがする。機関室が狭くなると隙間が見えたりして気分が悪い。仕方がないから、内側にstiffner(補剛材)を入れて剛性を大きくする。

stress release by etching アメリカ製のキット(CLW)の板は堅い。そう簡単には曲がらない。それを切り開いた残骸が残っていたので、裏を見てみる。
 表面をエッチングすると、その部分の応力が開放され、板が微妙に曲がる。中間にはその模様が少し見える。これが気になる人がいるので、日本ではエッチングする板は焼き鈍した板を用いる。だからクタクタなのである。衝突すると、かなり悲惨な状況になる。

 アメリカ製の場合、板は快削材である。すなわち堅い。そう簡単には曲がらない。組む前に板が微妙に反っていれば、修正を施してから組むだろうが、その歪みは微々たるものだ。組んだものは反っていない。
 この写真の筋は微妙な曲がりを補正したものである。左の方には、うっすらと歪みが見える。

 もう日本のメーカが模型を作って輸出するとは思えないが、堅い材料で作って欲しいものだ。焼き鈍したものを使うのは、やめるべきだ。軽衝突でさえ、歪んでしまうのだ。しかも重い機関車は、持つところが悪いと凹んでしまう。 

 以前にアングルがエッチングで溝を掘って曲げやすくなっているのを紹介した。くたくたで全く役に立たない。そういう部品こそ、快削材の板で、焼き鈍しせずに作って堅くすべきだ。多少歪みが出ても曲げるのだから問題ないはずだ。(本来はエッチングの溝無しで曲げて欲しいが、その腕がなければエッチングで少し溝を掘っても良い、という意味である。) 
 要するに、エッチングするものを全て焼き鈍し材から作るのはいい加減にやめるべきだということだ。 

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