2022年08月07日

音のこと

 蒸気機関車から歯車音がするのは絶対に許せない。

 なぜウォームギヤを使うのかを考えてみたい。まず、直角伝導だから、大きなモータが使える。ギヤ比が大きく取れるから模型用としてはコストの点では大きなメリットだ。

 忘れてはいけないことに、ウォームギヤでは音がしないということがある。ウォームギヤ以外では、必ず音がする。ウォームギヤは無音である
 筆者の動力増大装置は、3条ウォームギヤを使って、ウォームホィール側から廻して、動力ピックアップをしている。ここで普通のギヤを使うと、音を消すことは極めて難しい。ウォームギヤは逆駆動しても音は出ない

 今回希望者に頒布した3条ウォームは、とても静かである。無音であると言っても差し支えない。歯車の仕上げ精度が素晴らしく良いのだ。
 HOでは車輪はブラスの挽物にニッケルめっきが主流だろうから、転動音はするだろう。しかし動力装置の音は聞こえないはずだ。

 音のするウォームギヤセットには問題がある、と断言する。その問題とは、歯型のことである。
 進み角の大きなウォームギヤには、特殊な歯型が必要であるが、そんなことにはお構いなしで作ったものもあるようだ。自分で計算せずに人任せで作ったもののようだが、お話にならない出来であった。

 平歯車では、ピニオン(小さな平歯車)の歯型は相変わらずひどい。13枚歯以下のものは考えねばならない。


コメント一覧

1. Posted by Tavata   2022年08月07日 11:54
dda40x様にしては珍しく「なぜウォームが無音なのか?」の言及が無かったので、補足させて戴きます。
一般に歯車の音は、歯が当たる(衝突する)音です。
平歯車は毎歯が次々にぶつかり合うので、打音が連続します。これを小さくするには斜(はす)歯歯車にして打音を分散させる方法が使われます(噛合率を大きくするといいます)。
一方でウォームの場合は、次の歯に衝突するということはなく、ウォームギア表面をウォームホイールの歯が滑って行きます。ウォームホイールの次の歯も、滑り込みながら前の歯とバトンタッチしていくので、衝突音が生じません。
その代わり、噛み合う相互の歯は、常に表面を擦りながら動くため、摩擦ロスが大きく、一般のウォームギヤは伝達効率が他の歯車に劣ります。進み角が大きい、細い三条ウォームは、その摩擦ロスをできるだけ小さくした設計ですね。
2. Posted by dda40x   2022年08月08日 00:06
 補足感謝します。私が説明するより、はるかにわかりやすいですね。
 普通の歯車は、1点で衝突したあと、2点衝突に変わり、また1点で衝突した状態に戻り、離れていきます。

 平歯車の歯型を創生するときラック・カッタという刃物を用いることが多いのです。すなわち切られた歯はラックと隙間なく合うはずです。ラック歯は台形です。
 ほとんどのウォームギヤは、ラックを丸めたようなものですからバックラッシを限りなく0に近づける事ができ、歯の衝突も無視できることになります。
3. Posted by TM   2022年08月09日 06:51
ウォームギアが無音というのは意外でした。
昔の縦型モーター、インサイドギアの模型の世代の者としては、ウォームギヤはうるさいものだという先入観がありました。インサイドギヤの場合、騒音源は伝導ギアと、モーターそのものなのでしょうか。

『続 蒸機を作ろう』先般購入しました。目から鱗、勉強させて頂いております。
4. Posted by dda40x   2022年08月09日 09:49
 市販のウォームギヤは、騒音発生源になりえます。それはウォームがウォームホィールと同じブラス製だからです。どうしてすり減りやすいウォームを鋼製にしないのでしょう。歯型が見る間に変わって行きます。先のコメントで申し上げたように、普通のウォームは台形の歯を持つべきなのです。
 インサイドギヤは間違いなく騒音発生器です。14歯以下のものが多いですね。軸はガタつき、全てブラス製というのが多いですね。 歯車の材質を、互い違いに変え(小さいものを硬い材料で)、軸を研磨した鋼製にして注油すれば、かなり静かです。
 昔のモータはスラストを掛けると回転が落ちるものがあります。要するに軸受の構造が模型の目的とは異なるわけです。

 ギヤボックスを浮動させてトルク受けを付け、カルダンドライヴにすると格段に静かになります。UVジョイントは正しい位相にすることは必須です。

 要するに、今までの模型は工学的常識から遠いところにあったにもかかわらず、誰もそれを指摘しなかったというところが大きな問題です。走らせている人は少ないのです。
5. Posted by TM   2022年08月09日 21:19
模型メーカーは工学的常識が全然なかったのですね。
昔のインサイドギヤは音が大きく、また摩耗して真鍮の粉を線路にまき散らしていたものです。密閉式でないため、油も線路にまき散らしていました。
MPが主流になった現在、よくこんなもので走らせていたなと思う次第です。

インサイドギヤの時代でも蒸気機関車はギヤが密閉式であり、グリースを詰めてありましたが、なのにガリガリと騒音を発生しながら走るのは興醒めでした。種類によっては静かに走る蒸機もあり、当たり外れが大きいものだと思っておりました。
『続 蒸機を作ろう』でトルクアームの有効性を初めて知ることとなりました。
6. Posted by dda40x   2022年08月09日 21:35
 ギヤは密閉式ギヤボックスに収納され、正しいスラスト(軸方向の推力)処理がしてあれば、静かに走り、長寿命が保証されます。但し、ウォームが硬い材料のときだけです。
 MPもあちこちの博物館で長時間動かすと、ダメになると聞いています。材質を再点検する必要があります。

 トルクアームを付け、浮動させたギヤボックスに六角ジョイントで伝達すると素晴らしい動きを示すはずです。I田氏の記事をお読みになることをお薦めします。ゴムジョイントの使用は、おやめになるべきでしょう。
8. Posted by 読者   2022年08月10日 01:19
探し出せないのですが、押して動くウォームギヤを作って、手で押している動画がありました。ガリゴリと音を出していました。不合格ですね。
7. Posted by TM   2022年08月10日 07:07
勉強になります。
メーカーも良く研究してもらいたいものですね。
MPギヤは、交通博物館ではわずか1年でダメになったと聞いたことがあります。だから業務用の特殊な物を使っているとのことです。もっとも、家庭用ではそこまで動かすことがないから十分かもしれません。
9. Posted by dda40x   2022年08月10日 10:44
 その特殊なものも、何を改良して特殊なのかは怪しいですね。それでも持たないのだそうです。
 拙ブログの今年の1月13日の記事をお読みください。正しい設計のものは、2000 km(実物換算10万キロ)走っても、びくともしません。

 音のするウォームギヤは、何も分かっていないということを白状しているようなものです。どこかで槍玉に上がっていましたが、まだUPされているのでしょうかね。
10. Posted by sktrokaru   2022年08月10日 21:12
機械工学的なことは学んでいませんので素人の感想ですが、平ギヤ特にインサイドギヤなどの話について、ヘリカルギヤを使用すれば騒音は減少するのでは?角度や厚みも影響すると思いますが。模型では一般的に要求されるレベルと技術、費用の関係で結果的に平ギヤ採用という経緯もあるのかもと思います。
また低回転大トルクのモーターなら減速比を稼ぐ要求も減少するので直交食い違いスパイラルギヤを採用すれば効率と実感的な挙動の再現はさらに改善されるのではないでしょうか?
11. Posted by dda40x   2022年08月10日 23:09
 ご指摘のものは全て実現されていますが、詰めが甘く、効果の少ないものが多いのです。
 斜歯の件は角度が足らないので、刃幅の小さなものではほとんど効果がありません。スパイラルギヤもありますが、歯数が小さく歯型が良くありません。
 もう少し勉強してあれば、なんとかなったのですがね。どうして専門家に聞かなかったのかがわかりません。
12. Posted by TM   2022年08月11日 06:31
1月13日のブログ拝見しました。
実物換算10万キロ走ってもびくともしない、ほんとすごいです。

業務用の特殊なギアはTRAIN誌1996年2月号に、カツミの記事の中に写真入りでありました。キャノン製のモータを台車に載せた一体型です。
以前、神戸にのカワサキワールドに行ったときも、展示レイアウトでこのギヤを使っているのを見ました。
13. Posted by Tavata   2022年08月11日 11:01
インサイドギヤの良くないところは、剛性の低い一枚板金の台枠だと思います。そこに片持ちで平ギヤを付け、その軸も太い上に、さらに太いウォーム(周速度が大きい)を使うという、機械的にはNGのオンパレードです。
14. Posted by sktrokaru   2022年08月11日 17:29
当時の2軸連動にスプリングベルトを採用した例があったと思います。なぜそちらが普及せず容易に問題が想定できるインサイドギヤの方が普及したのでしょう?当時のある意味武骨で強力なモーターをぶん回して動かすのが標準的な模型ではスプリングベルト連動の抵抗はそれほど問題にならなかったろうと想像するのです。

専門家?が関わったのかどうか想像の外ですがヘリカルギヤやスパイラルギヤのシステムを模型駆動方法として完成させる技術コストと商品需要の可能性を天秤にかけた妥協が一般的方式なのかと思いますが、上記のインサイドギヤはそのように妥協に該当するのか興味深いところです。
15. Posted by ゆうえん・こうじ   2022年08月14日 09:49
 スプリングベルトの話が出ていますが、ベルト駆動の効率はどうなのでしょうか?
 また現在ならシリコーンゴム製のOリングが豊富にでていますので、それをベルトに流用すれば、HOクラスの模型でも実用的なシステムができると思います。
 バックマンHOの製品では小さなベルトを使っているものがあります。
 50年以上前、HOの電車でモーターを床上に水平において台車の車軸とのあいだに輪ゴムをかけて走らせるベルトドライブというのが一時流行ったことがありましたが、あれは再評価する価値のあるものでしょうか?
16. Posted by sktrokaru   2022年08月16日 17:46
いずれ機械工学専門知識を有する方からの言及があることと思いますが、ベルト素材適正化による曲げ損失減少や、適切なベルト形状の選択及びプーリー軸受摩擦抵抗の適切な処理がなされれば、模型レベルにおいても一般に使われているウオームホイールやインサイドギヤなどと比べ効率は遜色ないか、かえって良くなるのではないでしょうか?
17. Posted by dda40x   2022年08月17日 07:49
 私はベルトドライヴを評価していません。まともなベルトがないからです。伸びが無いベルトがあれば話は別です。
 プーリ上での伸び縮みは大きな損失を生みます。軸の摩擦はボールベアリングが使ってあれば無視できるでしょう。
 子供の頃、EB電機にスプリングベルトを付けた場合と、ない場合の牽引力を比較しましたが、さほど差がなかったのです。動軸がスリップしないと被駆動軸には牽引力が発生しません。すなわち、モータの載っている駆動軸側は常に動摩擦係数です。スプリングを強くすると、軸受損失が増します。
 機関車の動軸は確実な連動がないと効果は薄く、スプリングベルトドライヴでは、その他のファクタの損失のほうが多いのではないでしょうかね。
18. Posted by 猫   2022年08月17日 16:08
伸びないベルトが必要、ということはこれまで使われてきたゴムリングの類は根本的に駄目なんですね。
そういえば工業用のゴムベルトも、無垢のゴムではなくて内部に張力を受け持つ部材が入ってますね。
19. Posted by ゆうえんこうじ   2022年08月24日 11:07
ベルトドライヴは、ベルトの伸びで軸受に摩擦を生じるのでロスがおおいといういことですね。
ボール盤などの工作機械のベルトでもピンと張るより少し弛めすべきだというのはそういう意味でしょうか?
チェインドライヴは、張力がかからないので、軸受の摩擦が少ないから効率は悪くないのでしょうか?
歯つきベルトcogged beltもおなじなのでしょうか?

質問ばかりで申しわけありません
20. Posted by dda40x   2022年08月24日 11:37
 伸びるベルトは、伸びる瞬間プーリィとの間で摩擦損失が生じます。この部分の損失がなければ、意外と高効率なのです。
21. Posted by YUNO   2022年08月29日 11:53
動力を伝えるベルトはかなり強くピンと張りますね。自動車のファンベルトには張力を与えるための装置が付いています。

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