2022年05月31日

六角ジョイントの他の例

 六角ジョイントは軸のズレを吸収できる。この図の緑の六角ジョイントは、その機能を利用している。

 電鉄会社のOBは、「これはWN継手みたいなもんだな」と言った。WN継手は、角を丸めた歯車を内歯歯車の円筒の中に収めたもので、多少のズレを吸収できる。わずかなガタがあるので、惰力で走ると妙な音がする可能性があるそうだ。
 六角ジョイントは樹脂でできていて、摩擦も少なく、音が事実上しない。 

 この六角ジョイントの原型はKTMにいた高橋 淑氏がイギリスの模型雑誌を見て導入したそうである。1960年代のことだ。すでに半世紀を過ぎ、どこからも特許侵害とも言われていないので、問題はない。1960年代当時も、WNの特許取得から30年以上も経っている。

Microcast Mizuno (3)Microcast Mizuno (4)Microcast Mizuno (1)Microcast Mizuno (2)




 過去の日本製のHOにもこれが見られる。小栗彰夫氏の指摘によると、50年ほど前にマイクロキャスト水野が発売していたディーゼル機関車にも付いている。この下廻りは、輸出用のディーゼル電気機関車の下廻りを流用している。ということは同様のものが輸出されていたかもしれない。
 それがどうして受け継がれなかったのか、その理由が知りたい。B-B台車であれば、反トルクは、自然に解決する。

 しかし、蒸気機関車の場合は、反トルク承けが無いと不具合を生じる。どうして誰も、それに向かって解決を図らなかったのか、を考えねばならない。走りが悪いということにすら気付いていなかったのではないか、と最近の投稿を見て思う。

コメント一覧

1. Posted by 01175   2022年06月01日 01:51
マイクロキャスト水野はALCOのFA-1とFB-1をセットにして販売していました。Train Miniatureがインポーターだったようです。

https://www.worthpoint.com/worthopedia/ho-trains-miniature-alco-fa1-santa-fe-410202279

国内でもABユニットで5500円、下廻りを流用したDD13は4500円で売っていました。1970年前後のTMSに広告が出ているはずです。ABユニットの方は、1978年頃、横浜の伊勢佐木町にあったビッグボーイという鉄道模型店(千代田ママストアというミニカー専門店の鉄道模型部門)で2500円で大量に叩き売られていたのを見ましたので輸出ビジネスの方は芳しくなかったのかも知れません。

ちなみに水野は1970年代からコアレスモーターとトルクアーム方式を多用していますが他のメーカーは追従しなかったようです。
2. Posted by dda40x   2022年06月01日 21:17
 貴重な情報をありがとうございます。
 水野氏は、トルクアームも付けていたのですか。それがどうして無視されてしまったのでしょうね。

 今回の六角ジョイントを装備した機関車はモータがレーシングカー用のモータであったため、騒音が大きく、機関車の評価が非常に低かったとの意見を戴きました。もしまともなモータを使っていれば、評価されたかも知れません。
3. Posted by ゆうえん・こうじ   2022年06月03日 08:39
今回の六角ジョイントが、音が小さいというのは中にスプリングを入れてジョイントが振動しないという要因も大きいと思います。
ミズノのDD13もモーターの問題もあると思いますが、カプリングケースの中にバネをいれるとまた違ってくるのではないでしょうか

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
Recent Comments
Archives
Categories
  • ライブドアブログ