2022年05月29日

ロックタイトを外す

 友人から、SOSが入った。ロックタイトで付けたときに、部品を入れ忘れたらしい。どうやっても取れそうもない。困り果てて電話してきた。

「物理的に外すのは無理だよ。」と伝えると、泣きそうであった。大事な部品を壊さざるを得ないと、考えたようだ。

「ハンダゴテで熱くしてみて。」と伝えると、半信半疑だった。車軸の他の端にはPOMで出来た絶縁が入っている。それが融けるのではないか、と心配した。Low-Dの1軸を捨てることになるけど、大事な台車を壊すよりはマシだ、と温めたそうだ。

 すぐに電話が入って、「取れました!」と叫んだ。絶縁も生き残ったそうである。しかし、動力車に使うのは避けて、トレーラに使うと言う。
 その返事を聞いて、筆者も試してみた。POMの嵌っている絶縁の方を、水に浸けて固定した。そして、大きなコテを歯車に当てると、2分くらいで緩んだ。
 水に浸かっている限り、100 ℃を超えることは無い。すなわち安心である。Low-Dの車軸は、ステンレス製であって、熱伝導率が小さいということも、プラスに作用した。


LOCTITE ロックタイトは、250 ℃に保つと取れる、と説明書にはあったように覚えている。買ったのは20年ほど前で、説明書は紛失した。600番台の強力型を買ってしまった。模型用なら200番台で十分だ。大きな瓶だが、中身はちょっぴりだ。使った量は数 mLだろう。何年経っても何ら問題なく使えるというのは、素晴らしい。 

コメント一覧

1. Posted by ゆうえんこうじ   2022年05月29日 13:41
車軸をステンレスにすると熱伝導が悪いので、ギアのロックタイト外すのに加熱しても車輪に熱が伝わりにくいというのは意外な利点ですね。
ところでロックタイトの経年変化ですが、私のところでは赤い容器に入れていても数年で劣化してしまいます。何か特別の保管方法で管理されているのでしょうか?冷蔵庫に入れると劣化しないという話も聞きます。
3. Posted by 01175   2022年05月30日 01:39
未使用であっても棚在庫期間が過ぎると廃棄するようなルールのある整備工場を持つ会社に勤めていた友人がそこのゴミ捨て場から未開封のロックタイト603を拾ってきました。私にも1本くれたのですが、英語表記しかない1998年製のもので2000年に捨てられたものです(2000年7月に廃棄するよう記されたシールが貼られている)。常温どころか40℃を超えることもあるような屋根裏部屋で保管していたのですが、製造から24年を経た現在でもHOの動輪程度なら問題なく接着できます。603は高強度品ということですが、製品の種類によって使用可能期間に差があるのでしょうか。
5. Posted by dda40x   2022年06月02日 11:48
 ロックタイトは、異物が入らなければ、長持ちします。
 一番いけないのは、金属粉が入ることです。折れた糸鋸の刃を使って塗ることを推奨する人もいますが、それは出した分は廃棄するという前提です。小容器に受けて、そこに糸鋸刃を差しっ放しにすると、その分は急速に劣化します。
 元の容器には何も入らないように注意すること、日光に当てないようにする(引き出しの奥にしまう)ことさえ守っていれば、10年は持ちますよ。
6. Posted by I田   2022年06月02日 20:04
dda40xさんのおっしゃる通りで、嫌気性接着剤の硬化は金属との接触で始まります。
金属と触れて硬化反応が開始するのですが、空気が存在すれば、中途半端で反応停止するため、「劣化」したと思われます。
光や熱でも開始反応を起こす可能性が高いので、使わない時の置き場所も大事かもしれません。ゆうえんさんの書かれた「冷蔵庫・・・」も反応速度を下げるので有効と思いますが、食べ物とは一緒にしたくないですね。

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