2022年05月25日

続 吊掛け駆動

 吊掛けの目的は、モータの重さの半減にある。すなわち、車軸の横にモータが来ることになっていて、半分を台枠に持たせている

 35年ほど昔、吊掛け式と称する模型電気機関車を、見せられた。それには、各モータが動軸の上にあった。すなわち、モータの全重量が車軸に掛かる。これでは吊掛け駆動ではない。軸距離が小さく、モータが入らないから、そうしたのだ。本物は歯車が無い機関車として有名であった。界磁が、線路に近いところにあって、犬釘、継目板などを吸着してしまい、事故を起こしがちであった。伊藤 剛氏の解説によると、保線の線路工夫が置いたままにしたスパナを巻き込んでしまったそうだ。
 12軸の動輪軸に12個のモータが付いていた。当時は模型用として、そんなに小さなモータが手に入らなかったので、上に積んで、スパーギヤ駆動にしたのだ。これはまずい。

 しばらく前の話題のGG1も同時に見たが、一つの軸の真上に2つのモータが直接載っていた(もちろんカルダンドライヴではない)。
 どちらも吊掛け式と謳っていたが、全くのおもちゃ的構造であって、吊掛け式の概念からは、遠く外れている。モータの質量が全て車軸の上に載っているというのは、情けない間違いだ。どちらも、本物の知識を十分に持っていると自慢する方の模型だったので、言うべき言葉がなかった。小さな模型だから壊れないが、大きな本物であれば、たちまち軸が折れてしまうだろう。

 要するに、見かけだけを表す模型でも良いのだが、本物の構造を良く知った上で、「模型的簡略法をやってみました」と言うのは、良いだろう。しかし「本物の通り」のわけがない。 

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