2022年05月09日

作用・反作用

 連休中に届いた3条ウォーム関連の部品をまとめて、注文者に発送した。数が多いので、なかなか大変であった。購入者の方は、部品の不足などがあればお知らせ願いたい。
 マニュアルが未完成であったので、友人に見てもらって書き直し、配信した。写真をたくさん入れたので分かりやすくできたと思う。写真は、I田氏 と brass-solder氏の快諾を得て、貼り付けることが出来た。

井上式トルクアーム その brass-solder氏の写真である。これは井上 豊氏の工夫だ。HOの大きさなら、これで十分である。板の厚さは吟味しなければならない。短いものなら、t 0.25で十分だろうが、長くなると t 0.4は必要だろう。実験によって決められたい。

 トルクアームの効果を再確認する良い機会であるから、解説したい。

reaction ギヤボックスを浮動させ、トルク(回転させる力)以外の出入りがないように作るとどうなるだろう。動輪が廻ると、タイヤはレイルを蹴って前に進もうとするが、反トルクによりギヤボックスは後ろに倒れようとする。昭和20年代から、その反トルクは極めて怪しいゴムチューブで承けられていた。ほとんど何の進歩もなく70年以上経った。最近はゴムの材質が変わったので、良くなったという人がいるが、客観的なデータを取ったという話は聞かない。

 先日も、「ゴムジョイントの調整が難しく、時間がかかって仕方がない」という話を聞いた。しかも逆転させると調子が悪いと言う。
 それはそうだろう。モータというものはスラスト(軸方向の推力)に耐える軸受など持っていないのが普通だ。トルクだけを出力するように設計されている。 
 しかも、ゴムチューブには剪断力まで掛かるようになっている。だから、正直な所、何をしても無駄なのだ。

 この図は1976年のNMRAの会報から切り出したものを、多少改良している。  

コメント一覧

1. Posted by 作用・反作用   2022年05月09日 08:59
いつも、とても丁寧な説明で楽しみに見ています。
SL等の駆動装置は以前からゴム信仰がとても多く、進歩がないと思っていました。金属バネを用いたり、位相を間違えているユニバーサルジョイントを新規に製作したり、という情けない記事を過去に見た事もあります。
トルクアームの動作について、今迄の趣味誌を見てもこれほど易しく分かりやすい説明をされている記事はありませんでした。

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