2022年02月24日

ディジタル・ノギスの動作不良

 所属クラブの会員からの要望もあって、アメリカからノギススコヤを取り寄せた。その時の連絡の中に、
「以前買ったディジタル・ノギスの動作が不安定で、買い替えのチャンスだと思いました。」
というのがあった。それは何かの勘違いだ。そんなに簡単には、壊れはしない。

 実は、その種のトラブルは、筆者も何度か経験したことがある。切削作業中のDROのディスプレイに、あらぬ数字が飛び出してきて、それがぱらぱらと変わる。今までの読み取り(0点を起点とする)がどこかに消えてしまうのだ。全部やり直しである。電池を抜き差ししても、直らない。

 これは、細かい金属粉がノギスの棹(さお)と測定部の間に入っている可能性が高い。棹の表面には、ややこしいパターンを印刷してある。目には見えないが、プラスティックの目盛り板には、導電性樹脂のパターンがあるのだ。
 そのパターンを、数十個の静電センサで読み込んで演算し、数字を出している。だからその隙間に金属粉が入ると、異常を来たすわけだ。銅粉より鉄粉の方が異常が起きやすい。磁気でくっつきやすいのであろう。

 棹から測定部を抜き取って裏側にマスキングテープを貼り、剥がし取ると直る可能性が高いと伝えた。同時に棹の方も同じように掃除をすべきだと伝えた。

 すぐに、成功した旨、連絡があった。予想が当たって良かった。

 鉄粉が出るような作業をするときは、横に置いてはいけないわけである。掃除機で吸い取るのはもちろんのこと、あとで作業卓の周りを強力な磁石で掃除することが望ましい。  

コメント一覧

1. Posted by popo   2022年02月25日 12:22
私のDROでも同様の事故が起きました。フライス作業中に数字が踊りだして、初めからやり直しになったことがあります。掃除が大切だったのですね。
2. Posted by ゆうえん・こうじ   2022年02月27日 13:16
私も以前ノギスをお世話していただきましたが、電源系、電池ホルダーの接点?が不安定になったので、使用休止中です。何か対応策はあるのでしょうか?
3. Posted by dda40x   2022年02月27日 21:25
 接点は錆びやすいですね。これは電池にも責任があります。安物の中国製は漏液が無いとは言えません。また、接点の板の材質(メッキも)感心しません。
0.2 mmの洋白の板に付け替えるとかなりの耐食性があります。また、導電グリースをわずかに塗布すると良いでしょう。
電池はアルカリマンガン型ボタン電池でなく、銀電池にすると、電圧が高く動作が安定するという報告を、どこかで見ました。やってみましょうかね。
4. Posted by YUNO   2022年02月28日 05:36
ボタン電池も誤解の多い分野ですね。
もともとLR系(アルカリ電池)はSR系(酸化銀電池)の廉価版として開発された物なのです。
一番の違いは電圧の安定性なので、まともな測定機器の説明書を見るとSR系を指定している場合が多いはずです。
確かに定格電圧も高いですが、それよりも安定性が重要で、価格差もあるので、お金を出せる場合はできるだけSR系を使うべきなのです。
電池メーカーのサイトを見ても、精密機器にはSR系が適していると書かれています。

参考ページ
https://www.maxell.jp/faq/lrcoin-faq_03.html
https://jpn.faq.panasonic.com/app/answers/detail/a_id/18200

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