2022年02月06日

続 「蒸機を作ろう」

more Building Steam Engines 今野氏の主宰するKKCの新刊書が発行された。筆者も微力ながらお手伝いしている。

 この新刊の目玉は、最初にある「縮尺の物理学」である。このブログの読者にとっては、何度も聞いた話であろう。
 筆者が書いた文章ではわかりにくいらしい。様々な質問が来て、丁寧に答えたつもりでも意を尽くし切れなかったようだ。書籍にして残そうと思うと 、それには専門家のわかりやすい説明を必要としていた。そこで、力のある執筆者にお願いして、書いて戴いた。ぜひとも読んで戴きたい。

 飛行機の模型を作っている人は、実物を縮尺したものはうまく飛ばないということを、感覚的に知っている。それは気体分子まで縮尺された空間を飛ばすことが出来ないからだ。翼に当たる分子は、相対的に巨大である。
 模型も同じであって、原子まで縮小されることは無いので、小さな部品を作ると、それは異常な堅さとなる。たわみというものがほとんど無いわけである。だから、模型の機関車は、鷲掴みすることが可能だ。本物なら、たちどころにペチャンコである。

 今回の本の記事では、急曲線を走っても脱線しない理由、カントが無意味な理由なども、計算値を出して示している。式の展開が上手で、何の関数になるかということをズバリと見える形で示している。

 これを読んで理解すれば、本物通り!と自慢することが本当に価値のあることかどうか、が分かる人が増えるだろう。
 真によく走り、脱線せず、実感的な動きを再現するには何が必要なのかを考えるチャンスになると信ずる。ろくに走りもしない機関車を評価することも、減っていくであろう。

 また、正しいユニヴァーサル・ジョイントの使い方とか、低抵抗車輪の効果についても客観的な記事がある。これらはメーカ側に対する助言であるとも言える。

 コロナ禍で人の動きが制限されていた中、ウェブ会議で編集した本である。筆者のコンピュータでは互換性に問題があって、細かい文字配列が再現できていないことがわかり、ほとんどのレイアウト(割り振り)を今野氏にして戴いたのは、申し訳ないことであった。また、今回の裏方の大黒柱は、northerns484氏である。様々なことに助力戴いた。また、筆者の原稿の拙い絵も、全て描き替えて戴いている。


 今回の書籍の編集中、動画を見られるようにQRコードを付けるように提案があった。これは優れたアイデアで、すぐ見られる。新たに撮り直した動画もあり、ぜひご覧戴きたい。

 価格は2500円(送料は370円)である。申込みは、
   konno#m1.bstream.jp  (#を@に変換)
に連絡されたい。まとめての取寄せは、筆者も代行する。

 この2500円という価格は、いささか安過ぎる。つまらぬ雑誌が1000円もする時代なのである。もう少し高くても良かったと個人的には思う。旧刊の方もまだ多少売れ残りがあるそうなので、一緒に購入されると良いだろう。その場合でも送料は変わらないはずだ。     

dda40x at 02:06コメント(3)書評 | 物理 この記事をクリップ!

コメント一覧

1. Posted by 佐藤雅之   2022年02月06日 10:09
毎回楽しく拝読させていただいております。
早速注文メールを出しました。
2. Posted by 著者   2022年02月06日 11:41
「縮尺の物理学」を採り上げていただき、ありがとうございます。
 飛行機模型の話がありましたが、私が2乗3乗則に気づかされたのも、子供の頃、接着組立式の紙飛行機にはまり、学生時代に航空力学の本を読んだことがキッカケでした。
 模型が実物と力学的に等価であることは、あり得ません。本当に等価にするには、まず重力加速度を縮尺倍にしなければなりません。動力装置にしても、実物通りにモータや歯車、ジョイントを縮小して、それを台車に懸架し、実物通りの回転数や出力特性を再現して制御するなど、不可能です。
 結局、「実物通り」の模型などはあり得ないこと、模型として鑑賞するためには、いかに上手に実物「らしく」振る舞わせるかにつきるのだということを、読者にご理解頂けたら嬉しいと思っております。
3. Posted by dda40x   2022年02月07日 11:08
 購入者から承りますところによりますと、この記事が大変評判が良く、嬉しく思っています。最近の雑誌に紹介される記事の風潮として、外観がとにかくきれいなものを称賛することに、何のためらいもない、というのがあります。鉄道模型はよく走らねばならないということを、ほとんどの人が忘れているように感じるのです。
 我々が進むべき次の段階は、リアルな走りの実現です。ピューと走ってキーッと止まるのはおかしなものです。
 最後は牽引力です。軽い機関車がたくさん牽くためにはどうすべきかを考えたいものです。伝達効率のUPと被牽引車の改良だけでなく、静止摩擦の意味を考えねばなりません。
 この記事をきっかけとして、この趣味の技術水準が上昇することを願ってやみません。

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