2021年09月11日

ゴム弾性 1

 Y氏からのゴムについての質問に、詳しく説明した返事を送ったところ、その説明はブログで公開する価値がある、とのことであった。一般人はゴムの構造についてほとんど知らない、と感じられたのであろう。
 手紙に少し補足したものを、ここに示すことにする。

 加硫というプロセスは、非常にうまく出来ていて、よくこんな方法を思い付いたものだと、いつも感心します。ゴムタイヤは熱いアスファルトの上を走っても、高圧の空気を充填しても、弾力は保たれますが、永久的な変形はありません。必ず元の形に戻ります。
 天然ゴム自身は、そこそこに弾力がありますが、チューインガムのようなものです。当然、夏はべとつき、冬はパリパリになってしまうので、ゴムというものは発見されてから100年以上も、うまい使い途が見つけ出せなかったのです。

 アメリカの図書館でこんな話を読みました。
 Goodyearという人は、ゴムの改良に勤しんで、全財産を使い果たしました。いよいよ明日は家を追い出されるというときに、ヤケを起こして、実験材料を蹴り飛ばしました。たまたま、そこにあった焼けたストーブの上に硫黄との混合物が落ちて焦げ始めたので、あわてて払い落としました。するとその塊は生き物のように跳ね返り、実に適当な弾力を示すことがわかったのです。次の日に、債権者たちに実演して見せて、それで窮地を乗り切ったと言います。たまにはヒステリィも効果があるのでしょう。(結局の所、Goodyear はブランド名には残りましたが、企業家としては失敗したようです。)

 加硫は米語では vulcanization(英語では  vulcanisation)と言います。火山 volcano と関係がありそうな綴りですね。熱と硫黄を使うのでその名がついたのです。


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