2021年07月17日
クラウンギヤ
前回紹介した記事ではクラウンギヤが用いてある。これは意外だ。合葉氏に見せてもらったものはすべてウォームギヤであった。作られた時期によって違いがあるのかもしれない。
合葉氏宅で話をした時、
「貴方はどうしてウォームを使うのか?」
と問われた。答は単純であった。
「静粛であることは、この上ないのです。効率も、工夫すればかなり上げられます。潤滑剤の進歩があり、他のギヤに勝るとも劣らないものができるはずです。」
と言うと、
「それでは、クラウンギヤについてはどう思う?」
と聞かれた。筆者は思い切って挑発的な表現をした。
「クラウンギヤは嘘で固めたギヤです。どこにも正しい部分がない。」
合葉氏は腹を抱えて笑った。
「その通りなのだけど、そこまで言うかって感じだね。」
こういうやりとりがあって、合葉氏は筆者のウォームギヤに傾倒していった。合葉氏と会う頃までには、筆者自身もウォーム・ドライヴの歴史については勉強して、実車にも使ってあったことを知っていた。
「初期のPCCカーにも使ってあったのです。」
と言うと、驚かれた。
「よくそんなことを知っているね。伊藤 剛氏は、名古屋市電800型で、それを近代化したのだね。名工大の先生にお願いして、より効率の上がる歯型を計算してもらったのだよ。PCCはその後、グリーソンのハイポイドギヤに切り替わったのだけど、そのギヤが精度高く出来るようになってからだ。」
「軍用6輪トラックにも多条ウォームが使ってありました。」
と言うと、
「うーん、参った。我々はウォームギヤを再評価せねばならないわけだ。山崎氏は『ウォームは逆駆動出来ない』と、昔のミキストで断言していたので、それは間違いだと指摘したが、わからなかったね。モリコーのギヤも逆駆動できる細い2条ウォームだったのだけど、彼は全く理解しなかった。」
という会話があった。この時点で合葉氏は、
「貴方のウォーム・ドライヴこそOゲージの未来を切り開く。」
と述べた。
合葉氏宅で話をした時、
「貴方はどうしてウォームを使うのか?」
と問われた。答は単純であった。
「静粛であることは、この上ないのです。効率も、工夫すればかなり上げられます。潤滑剤の進歩があり、他のギヤに勝るとも劣らないものができるはずです。」
と言うと、
「それでは、クラウンギヤについてはどう思う?」
と聞かれた。筆者は思い切って挑発的な表現をした。
「クラウンギヤは嘘で固めたギヤです。どこにも正しい部分がない。」
合葉氏は腹を抱えて笑った。
「その通りなのだけど、そこまで言うかって感じだね。」
こういうやりとりがあって、合葉氏は筆者のウォームギヤに傾倒していった。合葉氏と会う頃までには、筆者自身もウォーム・ドライヴの歴史については勉強して、実車にも使ってあったことを知っていた。
「初期のPCCカーにも使ってあったのです。」
と言うと、驚かれた。
「よくそんなことを知っているね。伊藤 剛氏は、名古屋市電800型で、それを近代化したのだね。名工大の先生にお願いして、より効率の上がる歯型を計算してもらったのだよ。PCCはその後、グリーソンのハイポイドギヤに切り替わったのだけど、そのギヤが精度高く出来るようになってからだ。」
「軍用6輪トラックにも多条ウォームが使ってありました。」
と言うと、
「うーん、参った。我々はウォームギヤを再評価せねばならないわけだ。山崎氏は『ウォームは逆駆動出来ない』と、昔のミキストで断言していたので、それは間違いだと指摘したが、わからなかったね。モリコーのギヤも逆駆動できる細い2条ウォームだったのだけど、彼は全く理解しなかった。」
という会話があった。この時点で合葉氏は、
「貴方のウォーム・ドライヴこそOゲージの未来を切り開く。」
と述べた。