2021年07月03日

合葉博治氏の記事

 TMSの100号あたりの記事を見ると、様々な試行錯誤が載っていて楽しい。あまり良いモータが無かった時代で、歯車も良くない。車輪はブラスの地肌で、車軸も軸受も同じ材料を使っている。フランジの先端は曲線でレイルに当たっている。車軸も太い。これではろくな走りは期待できない。

 合葉氏と初めて会ったのは1985年である。筆者の3条ウォームの開発記事を見て、興奮して電話を掛けていらした。呼び出されてお宅に伺った。機関車 2輛と線路10メートルほどとポイント1台を持って行った。廊下に敷いた線路を機関車が往復した。その時の合葉氏の興奮状態は、動画に撮ってあれば、Youtube で100万回の視聴が望めるほどだった。
「これだよ!これでなくっちゃ。」
と、惰行するのを楽しんだ。全軸ボールベアリング装荷のOゲージ蒸気機関車を見るのは初めてのようだった。しかも三条ウォームで軽く押せて、発電によって前照燈が点く。合葉氏は子供のように何十回も押して、楽しんだ。先台車の復元装置が本当に作動するのを確かめ、テンダの重さと摩擦の少なさを確認した。

New O gauge「昔ね、”New O gauge" というのを提唱したんだ。ほとんど反響がなくってね、10人くらいの人が賛同を表明したが、それっきりになった。Oゲージにはそれ以下の模型とは異なる魅力があるんだけど、走らせる線路の確保が大変ということがあるからね。」
 と切り出した。(写真はTMS97号1956年6月号) 

「良い線路、良い車輪、良いギヤ、良いモータ、良い軸受の5つが揃えば、怖いもの無しだったのだ。今のHOに、果たして、それがあるだろうか?無いんだよね。それじゃHOの魅力って何だろう。狭い場所でも走らせられる?HOでも自宅のレイアウトで走らせている人なんて、ほとんど居ないよ。それならOゲージのほうが良い。Oゲージの大きさ、質量は、鉄道模型の最大の魅力だよね。HO以下では、逆立ちしたって、できゃしないんだからね。」
と、大きさの効果(2乗3乗則)をまくし立てた。
「原さんのはスパーギヤでよく走るけど、工夫がない。貴方のは直角伝導で、より実用的だ。こちらのほうが良い。」と言った。

「今まで誰もできなかった。でも貴方はやった。将来語り継がれるエポックメーカだ。」
と、お褒めの言葉を戴いた。


コメント一覧

1. Posted by 一式陸攻   2021年07月03日 07:16
自分もOゲージの質量を持った車両の動きの面白さに惹かれた人間なので合葉氏のお考えはよく分かります。
他のスケールにケチをつけるつもりはありませんが、1番は人間が室内で取り扱うには些か大きすぎ、HO以下は質量を持った動きは期待できません。
我が国の鉄道模型人口の大半を占めるNゲージャーの方々のおそらく多くがN以外は高価だとか場所を非常に食うものだと思い込んでいるのがつくづく残念です。
6. Posted by 猫   2021年07月05日 22:15
「これがやりたかったんだよ!」という感覚ほど趣味で興奮することはないと感じています。合葉氏の興奮ぶりが目に浮かぶようです。

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