2021年06月01日

Tenshodo のレオスタット

 しばらく前に扱った天賞堂製の最高級パワーパックの記事中、Marn-o-Statと書いたが、それは誤りであった。この記事はTMS105号(1957年3月)からコピィをさせて戴いている。この(F)という執筆者が誰なのかはわからないが、的確な記事を書いている。

Tenshodo 40 Ωの”テーパーワインディング”とある。若い方は意味がわからないだろうと思うので、簡単に説明しよう。モータの回転数が低いときに細かな速度制御ができるように、そのあたりの巻線が細い。中高速域では電流が増え、大まかな調整で良いので線は太い。大抵は、3段階になっている。もうすでに過去の遺物で、現在の低電流で動かす模型には使えない。
 40 Ω とあるので、初期短絡電流は 0.3 Aだ。当時としてはかなり優秀なモータ搭載した機関車を想定していたのだろう。実際には半分近く廻して、1 A弱でスタートしたものと思われる。

 可変抵抗による電流制御であり、本来は直巻電動機の制御に適する。現在使われているマグネットモータは分巻特性であるから、電圧制御でなければうまくコントロールできない。

 この記事によると日本製のようだ。アメリカでの特許が切れているのを承知して作ったのだろうが、それにしてもよく似ている。現代なら文句を付けられそうだ。

 日本では、この種のスロットルを縦に動かす電源は、殆ど見ることがなかった。固定されたレイアウトの存在があまりにも少なかったからだろう。ともかく、このスロットルは日本のどこかに眠っているものと思う。現物を拝見したいものだ。
 taper-wound の発音は、昔のTMSで議論されていたが、正しいものがなかったように思う。 ウーンドというのは意味が違う言葉だ。windの過去分詞だからワウンドである。この件についてTMS記事を調査中だが、見つからない。お教え願いたい。 

コメント一覧

1. Posted by 妙高電鉄   2021年06月01日 22:47
テーパー巻きのレオスタットの解説は
TMS特集「たのしい鉄道模型」コントロールボード記事中 54ページ(元記事はTMS102〜106号)に解説されています。
それによると「テーパーワゥーンド」となっております。
例によって「必ずテーパーワゥーンドを求めなければならない」と上から目線で述べられております。
私の手元にあるレオスタットは2個あるうち、1個がテーパーでもう1個が均等巻きのものです。どちらも同じメーカーのパワーパックに付いていたもので、現在は使っていません。(パワーパックそのものは大昔に廃棄してしまいました。)
また、上記の56ページにはスロットルレバーの取り付け方の解説があります。解説によるとレバーを斜めに取り付けるのが使いやすいとなってますが、どうなんでしょう?
余談ですが、10日ほど前までヤフオクに天賞堂のスロットルレバー式のパワーパックが出品されていました。
2. Posted by dda40x   2021年06月02日 19:27
 情報ありがとうございました。確認しました。オオカミの遠吠えのような 綴りでしたね。当たらずとも遠からずです。

 これとは別に、山崎氏の文章の中にありましたのを見つけました。
 1954年11月号のミキストに、「テーパーウーンドになっていないなら10倍の400オーム必要である」という文章が載っています。この発音はアウトです。

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