2021年04月18日

スポーク車輪

 スポーク車輪の製造要請がある。先輪などの外見を要求される部分には不可欠だ。気持ちはよくわかるが、なかなか踏み出せない。
 最大の問題点は数である。
 製造所には、タイヤは最低1000個なければ注文できない。500軸分である。ところが、現実に届いている注文は50軸ほどだ。

 次の問題は輪心となるべきカツミ製の砂鋳物の19 mm車輪の精度不良である。これのばらつきがすさまじく大きい。厚みは時期によってかなり異なる。
 ネジは、今では珍しいM4-P0.75という1950年代の規格である。それがまともに切ってあればまだしも、通称「ガラ」で切っているのだ。でたらめに手で持ってタップを通していたようだ。廻してみてあまりにも振れが大きいときは、再度逆に傾けて切った跡が見られる。ネジ穴がガタガタでお話にならないのだ。車軸の当たり面で向きが揃うという感じである。これでは心が出るわけがない。
 このでたらめな車輪を使っていては、進歩はあり得ないと感じた。Low-Dの必要性を感じたのは、この現実を見たからである。細かいネジを採用するか、圧入しかなかったのだ。

 ネジ部は完全にさらい、新たな材料を差し込んで再度ネジを切り直すべきだ。今なら細目のネジを切るべきだろう。当然車軸は新製だ。

 こうなると手間もかかるし、金額的にもかなりかかる。旋盤上で専用コレットを使ってネジを切るという作業をすると、1時間で最大20軸程度しかできないだろう。実際にやってみて、素人には難しそうだということも分かった。さりとて、その仕事を引き請けることは、時間が無いのでできない。設備を貸すので、弁当持ちでやってきて1日中作業する、という人は受け容れても良いが、それもしばらくはできない。

 今回のTR47用にはスポークの無いものを用いているが、この種のウィングバネの台車では、スポークであるかどうかは全く気にならない。TR23では多少気になるが、スポークでないものもあったらしいから、気にしないことにした。

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