2021年02月01日

空転させる設定

 ゆうえん氏から質問があったので、少しく詳しく説明したい。

 スロットルのspeed tableは、NCEの場合126ステップある。それぞれのステップに固有の出力電圧を割り当てることができる。殆どの場合は、最高速を抑えるとか、動きの悪い機関車の出発時の電圧を上げるくらいしか用途が無いだろう。筆者の場合、(0,0)を通る完全な直線で使っている。伝達効率の高い動力装置と、全軸ボールベアリング装荷のおかげで、何もしない方が自然な動きをするからだ。

 例えば、第10番目のステップだけで、最高速の40%ぐらいの電圧を与えるとする。起動して直ぐには列車の抵抗があって動き出していない。短時間高電圧が掛かればスリップするだろう。ステップ10以降はごく普通の出力曲線で加速するだろう。

Momentum 減速時にご心配のスリップが予期せぬ時に起これば、気分が悪くなる。しかし、NCEにはスロットルの上の方にMomentumというボタンがある。これを押すと、見かけ上の慣性を与える動き(徐々に加速する、あるいは減速する)の程度が10段階で指定できる。その設定変更は、運転中でも可能なのだ。

 起動時のスリップを希望するときはこのモメンタムを、0 にセットする。そうすればステップ10だけで高電圧が供給され、派手にスリップするだろう。列車は重く、その慣性は大きいから、実感的なスリップの再現が可能だ。そして順調に加速していくだろう。このモメンタムの値を適宜増減すると、スリップ発生具合も変化するはずだ。
 巡航時にモメンタムを最大値 9 にセットする。そうすると、ステップ10を通過しても、ほとんど変化を感じないだろう。

 もし、派手に逆回転をさせてみたければ、逆転をかけ、モメンタム0でステップ10を選べばよい。あるいはステップ2あたりにもそのような電圧が与えられていると良いかもしれない。

 筆者採用のデコーダは永末氏の完全直流デコーダで、スロットルOFF時には、モータの逆起電力は完全に遮断されるので、列車は自らの慣性でかなり進んでしまう。そこで、逆転してそこそこの電圧が掛かれば、逆転空回りを披露することができるはずだ。


コメント一覧

1. Posted by Little Yoshi   2021年02月01日 14:17
実はSpeed Table案を出した後で私もゆうえん氏の指摘と同じことが気になっていました。NCEのPowerCabのMomentumキーを使ってもこれはデコーダのCV3とCV4を書き換えるコマンドなので加速時間・減速時間が変わっても加速・減速でSpeed Tableをなぞってしまうことになるような気がします。減速時間を大きくとることでSpeed Tableをなぞっても問題ないということでしょうか?
2. Posted by dda40x   2021年02月01日 19:11
モメンタムを大きくすれば、全く感じなくなります。軽いHOでやっても同じ効果が得られるはずです。Oスケールで重いというファクタがありますから、さらに感じにくくなります。
かなり前ですが、軽い気動車でやってみたところ、うまくいきました。
3. Posted by ゆうえんこうじ   2021年02月01日 22:36
空転制御メカニズムとは少し話しがずれますが
完全直流デコーダーをお使いとのことですが、これは通常のPWM制御のデコーダーに比べてどういうメリットがあるのでしょうか?むしろBEMFを使ったフィードバック制御が出来なくなるなど、デミリットの方が大きいように私には思えます。教えてください。

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