2020年09月12日

伊藤 剛氏の長浦軌道

nagaura kido1 この模型のことがクラブで話題になってから久しい。会員のNG氏が高校生だった1968年、クラブの例会で剛氏が持って来て披露したそうだ。その後、いろいろな場で語り合われたのだが、現物がなかなか出てこなかった。しばらく前筆者が剛氏宅を訪ねて見せてもらったのが、ほとんど唯一のチャンスであった。

 トロッコが解放され、重力に従って坂を下り降りる時、nagaura kido2あまりにも速く、飛び出すのではないかと、手を出して受けようとした、という話を聞いた。この写真は、切り離されたトロッコが滑って行き、逆戻りしてスプリングポイントで 下に降りていく部分である。


 この公開運転はおそらく一度限りで、それを見たことがある人は大半が他界してしまった。NG氏は、その存命する唯一の目撃者かも知れない。 この長浦軌道が走るところを見たいという希望を受け、お預かりしている箱を順次開けて確認してきたが、3年ほど探しても見つからなかった。NG氏はその修復を任せてくれと申し出ていたので、見つからない旨伝えると、落胆していた。
 先月、それを思わぬところで発見した。ガラス棚の陳列品の下に、台として置いてあった箱を開けると出て来たのだ。もっと大きな箱だと思い込んでいたが、意外に小さな箱で見落としていた。

 レイルはブラス製であった。木橋は合成樹脂のニスを厚く塗ってあり、ガタはない。ポイントは電動とスプリング式の二つである。


コメント一覧

1. Posted by Tavata   2020年09月12日 13:01
こういう仕掛け、私も大好きです。
スイッチバック先端が走り始めの位置より少しでも高ければ、(発車時に突放しない限り) 車両が飛び出すことは絶対にありえません。
小樽の博物館にも石炭桟橋を説明する模型(確か1/80)にセキ車が重力回送する場面がありました。ボタンを押すとジオラマに照明がついてセキ車がデモ走行する仕掛けでした。(YouTubeにもありました。動画後半参照)
https://youtu.be/Qx0aKSZVE-w
重力走行こそ慣性質量増大装置の面目躍如だと思います。じわじわ走り出して、勾配を登ってググッと止まる、そしてまたジワジワ逆行する。見てみたいものです。もちろん、スムースに動かすには、内部の損失を小さくして、勾配に敏感に反応できなければなりません。

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