2020年08月21日

非金属製車輌の末路

Sway-backed この郵便車は、車齢36年である。American Standardの社長が連絡してくれて、購入した。硬質発泡ウレタンの鋳物を機械加工してある。裏側をフライスで削って、床板、窓ガラスを嵌めるようになっていた。よくできたキットであると思った。

 表面は彼の工夫により滑らかで、塗料ののりも良く、工作は容易だった。接着はエポキシ樹脂である。もともとが軽過ぎるので、床下器具は重い物を使っている。全質量は1.2 kgほどであるから、標準的な重さの客車となった。急行列車のheadend(機関車の次位)に付けてかなりの距離を走った。数年前車輪を更新したが、それを塗装をするのを忘れていることに今頃気付いた。

 建造して10年ほどで、何かおかしくなってきた。いわゆる sway-back (弓なりに反ること)になってきたのだ。社長のRalph Brownに連絡すると、
「不思議だ。そんな例はまだ聞いていない。」と返事が来た。
「今度持って行くから見てくれ。」と連絡したのだが、いろいろな都合で、その後彼とは会うチャンスがなかった。大した価格ではなかったので良いのだが、癪にさわる話ではある。急行列車の鋼製郵便車が垂れ下がっているのは、あり得ない。この時は、まだ垂れ下がりは大したことはない。

 その後組んだ彼のキットには、すべて中に金属板(鉄板、ジュラルミン板など)を仕込んで、垂れ下がりに抗うようにしている。おかげで、垂れているのは1輌だけに留まっている。


dda40x at 08:21コメント(2)材料 | 客車 この記事をクリップ!

コメント一覧

2. Posted by ゆうえんこうじ   2020年08月21日 14:29
日本と米国の気候の差による経年変化の違いではありませんか? HOでは蒸機のハンドレールに鉄線使ってある製品多かったですが、日本では錆びるので真鍮線に交換していました。
3. Posted by dda40x   2020年08月21日 22:21
 いえ、そういう種類の反りではないです。この会社の初期のモデルは発泡が強く、軽いのです。それにラッカ系の塗料を多めに塗ったのが原因だろうと推測しています。のちに低発泡になりました。
 同時代の物にエナメル系を薄く塗ったものには、反りは生じませんでした。いずれにせよ、片面をフライスで削ったのは具合がよくないです。そこに金属板をエポキシで全面に貼ると大丈夫になりました。

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
Recent Comments
Archives
Categories
  • ライブドアブログ