2020年08月05日

最高級のパワーパックを検分する

Tenshodo Powerpac (1)Tenshodo Powerpac (2) 先日持ち込まれたのは、これである。天賞堂が1960年頃発売していた最高級のパワーパックだ。未使用とのことで、驚いている。当時の価格を調査中であるが、確か2万円前後であったと思う。大卒初任給が1万円程度の時代であるから、とんでもない製品である。不思議なことに、「天賞堂」の表示は無い。通産省の認定品であることを示す甲種電気用品形式承認のいわゆる " Tマーク " もない。当時はモグリの商品が普通にあったのだろうか。のちにカツミが売り出したものには、その認定番号が表示されたことを覚えている。当時、父にその話をしたが、「当然だ」とのことであった。
 
 2系統6回路でポイントマシンは12台が操作できる。もちろんソレノイド型である。ポイントの制御は別のトランス(50 VA程度の大きさ)で行う。ポイントマシンの電源が共通のトランスであると、走行中の切替え操作で速度が変化した。それを防ぐためで、高級機ならではの仕様である。スウィッチは、倒した瞬間だけ導通するタイプである。補助接点が付いているので、同時に信号機の点滅も可能であったろうが、その出力線を取り出す穴はない。

 車輛の制御はレオスタット方式であるから、電流制御であって、現代の小電流で走る車輛のコントロールは難しいだろう。この部分だけは電圧制御方式に改造せねばならない。メータには電圧・電流が表示されるが、2系統の合計を示している。切替えスイッチを付けて、2系統のそれぞれを見られるようにすべきであったと思う。今なら電圧・電流計は安いのでそれぞれに独立させるであろう。
 ちなみにレオスタットはホィートストンによって導入された言葉である。流れ(rheo)を固定するという意味だ。即ち可変抵抗器である。

 ヤフー・オークションにこのようなものが出ている。同系統の廉価版であるが、基本構成は同じである。興味深いのは「DC16 Vが一定で、変化しない」との説明があることだ。壊れていると思ったのだ。
 可変抵抗による電流制御の意味を知らない世代に入ったわけだ。適正な負荷をつなげば、その負荷に掛かる電圧を変えられるが、思い付かないのだ。これには "Tenshodo" の銘版が付いているが、Tマークがあるかは、分からない。


コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
Recent Comments
Archives
「最新トラックバック」は提供を終了しました。
Categories
  • ライブドアブログ