2020年07月20日

続 3D print についてのコメント

 コメントでYoutubeを紹介してあったので、見た。大変面白い。出来たものを加熱している。"annealing"という言葉を使っているのも興味深い。これは本来の意味から離れて、別の概念を紹介するためにわざと使っているものである。正しい用語とは言えない。丈夫になることを言っている。本来の意味は、金属が様々な原因で硬くなったのを、加熱して軟らかくすることである。原子の再配列をすることだ。ここでは高分子の再配列により、堅くしている。
 ちなみに、”anneald” という言葉は、中村修二氏の青色LEDの特許に関する紛争で、「これはすでにanneald ideaであって…」と相手側が反論しているのを見た覚えがある。突出した考え方ではなく、時間が経って既にありきたりの方法だと主張しているのであった。結果としてそれは認められなかったようだが、面白い用法だと思った。 

 シャツをくしゃくしゃと箱に詰めるよりも畳んで詰めるとたくさん入るという実例を示している。これは筆者もよく使う説明の方法で、結晶化によって密度が増大することを理解しやすくする。この動画をご覧になるとよい。英語は平易で、字幕も出るからわかりやすい。

 筆者の記事にもあるが、ポリエチレンが結晶化すると、密度はかなり増大する。結晶化という現象は、目の前で起こるとなるほどとは思うが、ほとんどの人はそれを見たことはない。
 インターネットなどでそれを知ると、”それが最初から自分の頭の中にあったように勘違いする”人が多い世の中になったと、昔のコメントに書いてあったが、本当にその通りである。拙ブログのコメントにも、まさにその実例がたくさん来る。

 今後AIが進歩すれば、機械が瞬時に探し出してくれるようなことを、さも「自分はこの分野には詳しいのです」、と言わんばかりにコメントを送って来る。こちらは長年の経験でそういうことはすぐわかる。そういうことを理解している人の数は極めて少ないものなのだ。 

 話は元に戻るが、この動画はなかなか面白い。経験したことの中の、使える部分をうまく抽出している。寸法を保つということを放棄して、強度増大を主眼にしているのだ。

 PLAとはポリ乳酸である。一時期、生分解性があると売り込んでいたが、それはそれほどでもなく、最近は別の観点での売り込みがなされる。

 筆者のアメリカの友人からは、「台車を3Dプリントで作ったから、お前も買え」という話が時々来るが、正しい材料を使ったものはほとんど無い。


コメント一覧

1. Posted by railtruck   2020年07月20日 13:52
Youtubeのコメントにあったこちらも参考になるかと
https://www.justinmklam.com/posts/2017/06/sous-vide-pla/
2. Posted by dda40x   2020年07月23日 10:28
railtruck様
 これも面白いですね。直感的に3Dプリントでは分子間力が弱そうですから、何らかの改善策が必要です。
 ”annealed”の状態に持って行くのはそれほどむずかしいことではないのですが、それぞれの樹脂に特有な温度、時間、縮小率を得るには膨大な数の実験を経ねばならないでしょう。企業ならやりますが、アマチュアの場合はとても難しいですね。
 条件を明確にして、各アマチュアが実験結果を投稿するサイトがあると面白そうです。

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