2020年07月14日

続々 3D プリンタに用いる樹脂

 ナイロンにはいろいろな種類がある。普通は6,6-ナイロンである。この6は、単位物質の炭素数による。作りやすい物が良いので、ベンゼン環の炭素数が保存される6から始まった。今はもっと安いものが原料に使われるが、6という数字は変わらない。現在では、8とか10という数字を含むナイロンもあるが、強度は6,6には敵わない。ナイロンを作ったのはCarothersという天才だが、最初に作られたものが、最終的に最も優れたものであったというのは、凄いことである。カラザースは立体構造を考え、分子間に働く水素結合が最も無理なく形成されるのは、6,6の場合であることに気が付いたのであった。今でこそ、分子設計という概念があるが、1930年代にそれを実現したのは、素晴らしいことである。

 これは実質的に流動し始める温度が268 ℃であり、とても高い。3Dプリンタではもう少し低い温度で融けるものが良い。炭素数の多いナイロンの中には、200 ℃近辺で流動するものもあり、それを使っている。

 粉体にレーザを当てて、瞬間的に融かして固めるので、どうしても多孔質になる。即ち、表面がざらざらし、油が浸み込みやすい。ざらざら感を無くすには、サーフェサを塗って研ぐしかない。大物で表面に平面があれば楽だが、そうでないとなかなか大変である。つるりとした感じを与えるものは、また異なる造形法であるが、高価格である。
 そういう点ではOスケールは鑑賞距離が大きいので有利である。遠くからしか見ないので、台車のざらつきなど、ほとんど見えはしない。  



   台車にナイロンを使う理由を聞かれたので、答えようと思った。基礎から説明する必要があり、3回分を充てた。 この手の話は化学に縁のない人には非常に説明しがたく、何回も書き直した。3Dプリントはかなりあちこちで使われているが、その説明を見ると首をかしげるものが多い。
 決してABSは万能ではなく、クリープの起きにくい材料を使うことの重要性を強調しておきたい。

 筆者は、本質的にプラスティック製車輛は避けたい種類の人間である。長い時間の後にも製造時と変わらぬ性能を持つ模型を作りたい。車体がプラスティックの機関車は僅かにあるが、下廻りはすべて金属で作り直してある。車重が2 kgもあれば、プラスティックだけでできていると徐々にクリープしていく。下廻りに用いる材料はブラスが主体で、熱硬化性の樹脂(3次元網目構造を持つ)のみを絶縁材に用いている。

 車輪の絶縁に用いる材料はPOMである。これがABSであると恐ろしい結果を招くだろうことは、お分かりかと思う。筆者は、接着剤も永く持つもの以外は絶対に使わない。エポキシ か スーパーXである。塗料も、より長持ちするエナメル系を用いている。

コメント一覧

2. Posted by posted by panoramacar   2020年07月16日 15:35
3Dプリントでティンプレイト客車・コロネィション号の台車取替をしました。
車輪は勿論Φ21 Low-Dです。組上げて適当な電車の床板に取付け、2週間ほど前にクラブの例会でED電機に牽かせてエンドレスを周回させました。R1600を64个發亮患に関わらず、スムーズに非常に静かに周回できました。
2点支持でもない固定台車枠ですが、弾力があって手でひねると捻れるから、良い結果が出たのですね。ナイロン台車は素晴らしいです。

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