2020年05月17日

続 貨車の塗装

ACF Covered Hopper (3)ACF Covered Hopper (2) この青いホッパ車は1986年に目黒で買った。落下破損品を買ったのだ。ところが、長手方向が派手に壊れていて少し縮んでいた。切り外して叩き伸ばし、どちらかと言うと作り直した方が早いという状態であった。
 ともかく、30年以上掛かって修復し、見られる形になったが、側面には軽く凹みがあって、これは直せなかった。この凹みを伊藤 剛氏がご覧になると、”Authentic!"とおっしゃるに違いない。
 底の排出口あたりの出来が良くなく、いろいろな資料を見て作り替えたが、気に入らなかった。15年ほど前、テキサスの男が、Weaverの車輛の上廻りに、韓国で作らせた3-bayの下廻りを嵌め込むというアフターマーケットを作った。筆者も10輌分購入し、殆どはプラスティック車輛の改造に使ったが、2輌はこのブラス製品に使った。微妙に寸法が異なるので、かなり苦労して切り継ぎをしている。全部スクラッチから作るべきであった。おそらく半分以下の時間でできたであろう。

Rust-Oleum この青は80年代末にアメリカで買ったスプレイである。今でもあるRust-Oleumというブランドで、たまたま閉店セールで1本50セントで買ったものだ。黒、グレイ、銀とか黄色は大量に買って、引っ越し荷物で持ち帰った。一部は飛行機でも持ち帰った。そういう点では、非常に緩い時代であった。すべて使い尽くしたが、青だけはこの貨車に塗る以外、用途が無かったので、30年全く封を開けていなかった。ガスが抜けているのではないかと心配したが、全く問題なかった。中で顔料が沈殿していて、撹拌のガラス玉がまったく動かない。動くまでかなり激しく振動させる必要があった。さらに数分間振って見たが、最初は透明な液しか出なかった。ありがたいことに、その後調子良く霧が出るようになった。

 これはラッカ・スプレイではない。エナメル・スプレイでねっとりした塗料が噴出する。垂直面でも垂れず塗りやすいが、HO以下の模型には使いにくいだろう。塗膜がやや厚めであり、ディテールが埋まる可能性があるからだ。しかし、この種の大きな面のある貨車には、非常に適する。このエナメル塗料は不器用な平均的アメリカ人でも、まず失敗しないようにしてあるのだろう。固まるのに数時間を要する。朝塗って夕方取り込めばよい。つるつるぴかぴかに仕上がる。当鉄道の黒いタンク車数十輌は、ほとんどこのスプレイで塗った。ディカルを貼るのが容易で助かった。もちろん、あとで艶を抑えてある。

ACF Covered Hoppers この貨車のディカルも実在しないから、参考にはならない。とは言え、無いとは言えない。本物の編成を見ていると、剥がれた部分にあり合わせのディカル(本物でも同様のものがある)を貼っただけのものをよく見るからだ。否定の証明は難しい。 

 興味深い動画がある。たまに見る風景だが、ここまでのものは珍しい。 

dda40x at 05:17コメント(3)貨車 | 塗装 この記事をクリップ!

コメント一覧

1. Posted by 長年読ませてもらっています   2020年05月17日 11:01
「アフターマーケットを作った」という表現に驚きました。実はこの部分は日本では間違って使われている場合がほとんどで、正しいものは初めて見ました。
元々は車業界で使われている言葉で、車の後付け部品とか、アップグレード用交換部品、消耗品などの商売です。厳密には中古車販売はこれに含まれません。
今回の記事ではプラスチック車体の下廻りを、韓国製(ブラス)下廻りに取り換えるわけですから、厳密な意味でのアフターマーケットを作ったことになります。
いつも、貴ブログでは表現が非常に厳密なので、読みごたえがあります。「スクラッチから作る」というのも同様に感動しています。
2. Posted by dda40x   2020年05月21日 21:21
 コメントありがとうございます。
 確かに日本語の中でのアフターマーケットの使い方は間違っているのが多いですね。鉄道模型の記事を検索してみましたら、ありました。中古をアフターマーケットで手に入れた、などの表現ですね。単に中古で手に入れたと書けば良いことですね。
 亡くなった友人がシヴォレのアフターマーケットの店を経営していました。面白いものがいっぱいあって、店の中を歩き回ると幸せになりました。古い車でも手を入れて新品同様にしている人がいるので、そのための店でした。
 
 「スクラッチで作る」というのも変なものですね。”built from scratch” ですから、そういう表現にしていますが、そこを見抜かれた方は、貴殿が初めてではないかと思います。scratchは地面に引いた線を表すので、開始点です。何もないところから作ったのですからそういう表現をしているのですね。

3. Posted by 愛読者   2020年05月25日 16:59
いやぁ、参りました。
スクラッチで作るものだと思っていました。スクラッチは材料の切れ端だと長らく信じていました。何かでそんなことを読んだ覚えがあるのですが、思い出せません。
最近はインターネットがあるので、細かい用例などを簡単に知ることが出来ます。ウェディング・ケーキをスクラッチから作るなどという記事を見付けました。

昔は辞書に載っていなければそれでおしまいでしたから、隔世の感です。scratch-building という表現があります。これはハイフンでつないであるのですね。

dda40xさんは英語の細かいところまで理解できる方で、そういう意味でも模型界では貴重な存在です。

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
Recent Comments
Archives
「最新トラックバック」は提供を終了しました。
Categories
  • ライブドアブログ