2020年05月13日

トルクアーム、トルクチューブ、吊掛け式

 コメントが多いので、予定を変更して稿を起した。

 吊掛け式は、トルクチューブの先端に剛の状態でモータが付いていると考えられる。そしてそのモータの一部を、僅かの自由度を与える方法で(ゆうえん氏は軟かい素材の両面テープで)フレイムに取付けている。要するにモータ軸の延長線に対して垂直の動輪軸が、減速装置を介して廻るだけ、と考えることができる。その動軸が、バネその他の懸架装置で、レイルに押し付けられている。反トルクはモータの尻で承けている。遠いところにあるから、力は小さい。

torque tube 左の写真のトルクチューブは、その先端が一点で固定されている。長孔があり、多少の伸縮(チューブが斜めになっているから)があっても逃げられるようになっている。この方法ではモータは固定できる。これはOスケールではありがたい。モータは350 gもある。そのモータが吊掛け式で動くと壊れやすい。また吊掛け式ではモータ固定ネジが、軸方向から締められるので、どうやって締めるべきか、設計に苦労する。また、吊掛け式ではバネ下質量が大きいから、軸重は均等にはならない。即ちレイル接続部を渡る音が、同じ音ではなくなる。

 トルクアーム方式は機種ごとにトルクアームの位置を考えねばならない、ところがトルクチューブはすべて共通部品で済む。モータ軸とドライブシャフトとはほぼ同一直線上にあれば良い。ルース・カプリングを介して付ければ、全く無調整でよく走る。トルクチューブには簡単な腕を付け、その先端にはピンを差すようになっているだけで、とても簡単である。モータ・ブラケットに小さな腕をつけたのは、祖父江氏のアイデアである。これは優れたアイデアで、簡単に、かつ確実にできるので、量産には都合が良い。筆者のプロトタイプは、配線用のゴムのグロメットで承けたが、これでは経年変化が無視できない。10年でパリパリになったので改装した。

 この駆動方法は、祖父江氏が改造して世界中に出て行った1000輌超のほとんどすべてに使われている。即ち、Sofue Drive の一部を成している。

 愛読者氏のコメントで質問されているフレイムが曲がる話は、ギヤボックスや反トルク承けとは全く無関係の話である。おそらく、高ギヤ比の減速装置の付いたモータを取り付けたが、動輪が何らかの原因で廻らなかっただけのことである。単なる失敗の話であるので、削除した。


コメント一覧

1. Posted by ゆうえん・こうじ   2020年05月14日 09:38
Oゲージの大型機では、モーターだけで350gもあるのですね。現在製作中の1/80中型蒸機では、釣り掛けユニット(モーター+ギアボックス)全体で20g以下なので、軸重不均衡は実質無視できる範囲内のようです。
2. Posted by dda40x   2020年05月14日 09:56
  静止時の軸重の問題よりも、それが高速走行する時の衝撃力が問題になります。HO以下ではイコライザのみでバネは無い設計が推奨されてきたようですが、Oスケール以上ではバネ下質量をできる限り小さくしておかないとフログが壊れますし、機関車のサスペンションが徐々に潰れて行きます。走らせている人が少ないので、これには気が付かない人が大半です。私の動画(Nothing up my sleeve)でバネが利いている様子を見て驚いた人がいますが、あの状態にしないと100マイル/時走行は出来ません。

 HO以下でもこのトルクチューブは製作が楽ですから、お試しになると良いと思います。ギヤ部とモータ部が、さっと外れるのが、便利です。

 私のOスケールの機関車の中で1輌だけが吊掛け式です。その分解整備には大変な手間がかかりますので、改造するつもりです。

 上廻りを外した機関車を走行台の上で動かして見せる動画を時々見ますが、ギヤボックスが暴れているのが多いのは残念です。走行台の上では完全に動きが止まっているべきです。(車輪の心が出ていないのは論外です。)
 
3. Posted by Pοsted by パノラマカー   2020年05月14日 15:10
私のOJキットの C62は主台枠にモーターを固定し、ダイキャストのギアBox【勿論3条ウォーム】へはルース・ジョイント(?)で接続されています。
ただ、反動トルク受けは主台枠の横梁から出ていて、駆動軸を押さえています。
C53,C51は板製ギアBoxで重たい吊掛式。モーター取付金具はピンとゴムブッシュで主台枠に留めています。
C62のバネ機構は実物通り重ね板バネだから良いのですが、C53,C51はイコライザーのみですから要改造です。ゴムブッシュはシリコーンゴムに取り替えねばなりません。

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