2020年02月27日

Kemtron の Alco RS2

 先日の韓国製ギヤボックスの高性能化が、意外なレヴェルで可能であったのに驚き、もう一つやってみた。初段のギヤを外してギヤ比を下げた。これで効率がさらに上がるだろうし、押して動かすことも楽になる。ほとんどの場合、ギヤ比は高過ぎる。ギヤ比が低いものほど高効率が達成できる。これは筆者の経験によるが、自動車でも同じである。原動機の回転数が高いと損失は大きくなる。ポルシェのギヤ比は低い。
 高トルクのモータを使ってギヤ比を低く、というのはあまり見ることが無い。これを採用すれば、ピニオンの歯数を増やして音が小さい模型を作れるが、だれもやらない。ほとんどの人は外見が綺麗に出来れば満足してしまうのだろう。
勾配線で重列車を牽けば実力はすぐわかる。コンテストでそういうことをしない現状では、スケールスピードで走って、重負荷でもつまずかない機関車を誰も評価しない。

 高トルクモータは仕様書を読めばすぐ見つかる。300台も注文すれば作ってくれる。30年前、祖父江氏との共同作業の中で特注したものは、その後その会社の定番商品になっている。
 今でもかなりの数を持っている。ディーゼル電気機関車の3条ウォーム化改造に適する回転数とトルクを持つ。

Alco RS2 Alco のroad switcher RS2 である。先のスウィッチャは、S2 であった。要するに、本線用にも入替用にも使えるというのがウリであった。この会社の名前の付け方は単純である。その点EMDはややこしい名付け方法を採っている。NW とは900馬力(nine hundred HP)で熔接台枠(welded frame)を使っているのだそうだ。こんな話であれば、付き合い切れない。 

 Kemtronのキットは重い。ボディの丸味のある部分はすべてロストワックス製で、それに30ミル(0.76 mm)の厚さのブラス製ボディがかぶさる。床板は同じ厚さで、そこに1/8インチ(3.2 mm)厚、1/2インチ(12.7 mm)幅の帯材を両側に貼り付けるという堅牢な構造である。下廻りの床板関連だけで、600 gほどもある。
 ハンダ付けは炭素棒でも良いが、筆者はピンで位置決めしてクランプで挟み、ガスバーナで焙り付けである。隙間なくできると気持ちが良い。床は堅く、パイロット部は一体鋳造で安心である。相手が貨車なら、正面衝突しても決して負けないだろう。

 動力はAll-nationのものを推奨していたが、開放型のギヤボックスは当社の方針に合わないので、すべて売却した。その動力装置はアメリカでは希少価値があり、ずいぶん高く売れた。その後3条ウォーム化したものが1輌、ダミィが1輌あった。今回のAjin製をそれにつけることにした。改造費はジャーナル部のボールベアリング8個とコアレスモータだけである。在庫は十分で、すぐできる工作であった。レイアウトの作業が終わってから2時間くらいずつ、それに充てた。

Alco RS2's Kemtronの製品は、荒っぽく扱っても決して壊れない丈夫さがあり、筆者の好みである。ただ、ハンダ付けは素人にはできないだろう。ということは、これを手に入れておくと、ハンダ付け教室の良い教材になるということに気付いた。しかしもう入手することは困難だ。

 Alcoの機関車は美しい。当時から、EMDに比べると頭一つ出ているデザインであった。

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