2020年02月29日

Samhongsa のギヤボックス

Samhongsa gear box (1) 先日、Ajinのギヤボックスを改良して安価に、かつ、そこそこの性能を持つものを作り出せた。捨てるものから役に立つものができるのならと、ジャンク箱を漁っていた。
 韓国製のギヤボックスがバケツ一杯ほど出て来た。選り分けると、比較的近年のものは何とか逆駆動出来そうである。その中にこのサムホンサのギヤボックスがあった。

 これは土屋氏のC&O J3 4-8-4を改装した時に出たものである。変な色のグリスがぎっしり詰まっていて、動きにくい。
 蓋を開けてみて驚いた。これにもモジュールの大きなヘリカルギヤが使ってある。ヘリカルはスラストが発生するから、その処理をしないと損失が大きいのだが、このギヤボックスにはスラスト・ボールベアリングが使ってあるではないか。そこだけは出来過ぎである。ただ、グリスが粘くて動きにくい。また灯油に漬け込んでから、溶剤スプレイで洗い落とした。

 スパーギヤの3段減速なのだが、モジュールは 0.5 で歯数は14:28である。この14枚は、何かを感じる。Ajinで筆者が教えた奴が、競合するサムホンサに就職した件と関係ありそうだ。その次のヘリカルは 8:13である。互いに素にしたのも、ピンと来る。こんな偶然はめったにない。
 間違いなくこの設計者は筆者に会っている。スラストベアリングの話もした。しかし14:28は間抜けだ。どうせやるなら29枚を使えば良かった。最終段の14枚がブラス製なのはどうしてだろう。ここは力が掛かるところなのに、何か抜けている。眼鏡を掛けた坊主頭の若い男だった。本質を理解していないから、記憶に頼って失敗している。

Samhongsa gear box (2) よく洗って研磨し、再組立てしたが、手で廻すと何か触るような感触がある。ほんのちょっとなのだが、気になる。分解してみて仰天した。歯先がギヤボックス内面に当たっているではないか。よく見ると、その部分は縦フライスで削ってある。設計ミスで追加工しているのだが、削り方が足らなかったのだ。今まで当たっていた数枚の歯は、歯先が光っている。最低だ。
 仕方がないから、縦フライスでさらに削った。歯先はダイヤモンド砥石で再調整した。スピンドルオイルを注し、組み立てると素晴らしく滑らかに廻るようになった。
 ギヤ比は14/28 ✖ 14/28 ✖ 14/28 ✖ 8/13 = 1/13 である。減速比が大き過ぎる。1段減らす工夫をしてみよう。それほど難しくはない工作だ。すべての軸にボ−ルベアリングを入れることも可能である。このギヤボックスを何に使うべきか、思案中である。1/6.5程度のギヤ比ならば、パシフィックに付けて見たい。


コメント一覧

1. Posted by Tavata   2020年02月29日 15:38
減速比を一桁台にするというのは、HO以下を扱っているものからすると驚く話です。
dda40x氏が仰るように、高トルク低回転モータを発注し、低減速比で高効率なギヤトレインを用いるというのが理想です。
しかしHO以下では慣性質量は皆無に等しいですし、フィードバック制御のない状態で超小型モータ(そもそも車体寸法に入ることが最優先課題)によって安定した低速運転を実現するには、高減速比にするのが現実的なのだと思います。

14:28とは本当に間抜けな話ですね。ゴミを噛んだら特定の歯だけ1枚(2枚かも)ダメになりそうです。
2. Posted by nextcube   2020年03月01日 01:08
5 数年前に購入したKeyImp(Samhongsa)のBigBoyにも多分同じギアボックスが使ってあって、購入直後はちょっと動かすたびに下のウォームと一つ上のギアが噛んでスタックしていました。粘度の高いグリスが入っていたのは同じです。うろ覚えですがギアを寄せるスペーサーが入っていたのを組み替えて動くようにした気がします。前のオーナーが中途半端に改造していたのかも知れません。
無負荷で8000rpmぐらいのコアレスモーター に換装しましたが減速比が大きいのでスケールスピードでの最高速度が出せません。逆駆動も出来ない事は無いのですが手で押せばゆっくり動くレベルです。おっしゃる通り、ギアを減らせば解決しますね。
3. Posted by dda40x   2020年03月01日 21:50
>>1
 きっとこういうコメントが来るだろうと思いつつ、書いていましたよ。HOの機関車の動力伝達機構の効率はどの程度なのでしょうね。蒸機では10%台ではないかと思います。これが2倍程度になると、低ギヤ比の道が開けると思います。
 ギヤ軸にリーマを通す人がほとんどいないのではないでしょうか。ギヤボックスを組む時、すべての軸を1200番の紙やすりで研ぎ、リーマを通しておけば素晴らしい性能になるはずです。ゴムチューブでユニヴァーサルジョイントの代用をしていると、効率はがた落ちになるのではないでしょうか。
 動輪の軸受もしかりです。ロッドも同様です。どなたかが、高効率の機関車を作られれば、ものの見え方も変わると思います。HOサイズ用でも高トルクのコアレスモータはありますから。
4. Posted by dda40x   2020年03月01日 21:54
 ギヤボックスの中を開ければ、方法は見つかります。設計が間違っている場合は中身を取り替えねばなりませんが、それほど難しいことでもありません。フライスをお持ちならば、可能だと思います。
 それにしても韓国製のギヤボックスには参ります。

5. Posted by 森井 義博   2020年03月02日 14:20
十数年前に1/80や1/87の日本型蒸気機関車の伝達効率を測定したことがあります。
その時のデータが見当たらないので正確なことは言えませんが、通常のウォームギア付が10%程度だったと記憶しています。
スパイクモデルの「コースティングギア」には問題はありますが、40%近くあったことを記憶しています。(色々調整はしました)
このクラスで現状入手可能なモータを使用する場合ですと回転数の関係でギア比は、1:15程度が限度だと思います。
DCCで速度を制御すれば、もっとギア比は下げられると思います。
6. Posted by YUNO   2020年03月02日 23:42
HO以下の蒸気機関車では、部材の強度も落ちますし、工作の精度に限界があるので摩擦を減らすのはかなり大変ではないでしょうか。
潤滑油の撹拌抵抗も馬鹿になりません。
比較的容易にできそうなアイデアとしては、ロッドピンを固くて滑らかなステンレスに置き換えると良さそうに思えます。
ロッドのないディーゼルや電機ならもう少し簡単だと思うのでチャレンジしてみる価値はあるかもしれません。
7. Posted by dda40x   2020年03月03日 00:10
 小さいものは、相対的に堅くなりますから強度は増します。 グリスが粘いのは論外で、サラサラのスピンドルオイル(ミシン油も同等)を注せば十分でしょう。
 軸受を厚い材料で作り、磨いた細いシャフトを用いたギヤボックスであれば、軸の摩擦は驚くほど減ります。歯車も側面をよく磨ってツルツルにし、刃先のバリを虫眼鏡で見ながらダイヤモンド・ラッパで無くします。最小歯数に留意したギヤボックスは、注油すれば驚くべき低摩擦で作動するはずです。
 軸の直径の3倍の厚さの軸受が必要で、きちんとリーマを通すのは必須です。守るべきことは少ないので、どなたか作られればよいのですが。リーマは高い物ではありませんが、殆どの人は持っていないそうです。
8. Posted by nextcube   2020年03月03日 07:50
>>4
ギヤボックスに関しては、まずはギヤを一枚はずしてどれぐらい軽くなるのか、試してみたいと思います。

9. Posted by 01175   2020年03月03日 22:21
30年くらい前に発売されたAthearn-GenesisのHO USRA 2-8-2は走行性能が極めて良好ということで当時のMRの製品紹介欄で賞賛されていました。平滑化した直流で起動時の速度が10mph/87未満だと褒めるというのがMRの基準だったようですが、この2-8-2は1.6mph/87という測定値が示されていたと記憶します。メーカーはサムホンサでしたが、ギア・システムは完全にKATOのC56のコピーでした。ただ、搭載しているBuhler社製の5溝のモーターがKATOのものより強力だったせいで本家のものより低速性能がはるかに安定していました。
私は秒速3ミリ(0.625mph/87)を目途に調整していますが,「HO」の日本型蒸機に入るくらいのサイズのモーターでは例のスパイクモデルの製品を使用しても1:15位の低いギア比では安定した低速性能を得ることは困難なのではないかと感じています。

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
Recent Comments
Archives
「最新トラックバック」は提供を終了しました。
Categories
  • ライブドアブログ