2020年02月13日

続 慣性

 動画はご覧戴けただろうか。午前中、公開までの審査時間が掛かって、見ることができないという苦情を戴いたが、昼過ぎには見えるようになっていた。この頃は投稿された動画の内容を審査するのだそうだ。人間と機械で見るそうだが、大変な話だ。 

 今回の慣性増大装置付きテンダを作っている時、何人かの友人に見せた。すぐに真価を読み取って、期待してくれた人は多かった。しかし、完成したものを見せると、その動きには驚嘆した。こんなに慣性が大きいとは思わなかったと言う。慣性モーメントの計算は事前にある程度してあったので、筆者としては大体予想通りであった。途中で、回転体を軽くせねば事故が起こることが分かった。それで変更したことに関しては、やや心配した。小さなスプロケットを使う羽目になったので、効率が低下するからだ。結果としては十分な効果があった。

 また、メイルで概要を伝えただけなのに、「ケガに気を付けてください」と書いてきた人はSG氏だ。慣性の大きなものを扱っていらっしゃるから、よく分かるのだろう。確かに高速で廻っているフライホィールに、何かが巻きこまれると、大変なことになる。そう簡単には止まらないからだ。過去のSG氏の作品には小さいながらよく動くナロゥの機関車がある。モータの回転数の数倍の速さで小さなフライホィールが廻っている。

 今、ここに170 kgの錘があるとする、と言っても実感が湧かないだろう。それならこれはどうだろう。小型の梵鐘程度の物体がぶら下がっている。小型といっても170 kgもある。それをつっ突いて振幅 2 cmほどで揺らす。堅い壁の近くにぶら下がっていて、揺れて壁に触りそうな状況を考える。その隙間に指を突っ込むと・・・
 そんな馬鹿なことをする人は居ないが、やれば指は潰れる可能性がある。重いものは危ないのである。それと同等の慣性を持つ模型車輛が走るのだ。

 今回のテンダは、車輪が滑るから安全である。もしラック式の模型であれば、極めて危険だ。車輪が滑らないから、連結時に指を挟むと大けがである。
 設計時に様々な計算をした。チェインが先に切れるか、車輪が滑るかを知りたかったのである。重いとチェインが切れることは予測できた。もちろん、4軸から動力採取している方だ。
 
 Low-Dはステンレス製なので、摩擦はやや少ない。動画でテンダだけを押し付けて動かす場面があるが、摩擦を大きくするためである。押さえ付けておいて速く動かして加速すると、チェインが変な音を立て始めるのを感じる。また、強く押し付けて無理に加速すると、たちまち切れるだろう。

 慣性を軽く見ると、事故の元であるのは間違いない。


dda40x at 02:13コメント(2)物理 | 力学 この記事をクリップ!

コメント一覧

1. Posted by 一式陸攻   2020年02月13日 02:31
5 動画拝見致しました。
感激の一言に尽きます。
きちんと計算と設計をしていつかは自分のものにしたいと思いました。
2. Posted by Tavata   2020年02月13日 20:47
大きな慣性質量が危ないことは分かりにくいことです。
船が事故を起こすときは、傍目には静々と進んでいるだけに見えます。

SG氏の機関車も指先程度の大きさとは思えない重厚な走りで、感動して私も真似しましたが、タンク機関車で単機空転の再現は無理でしょう。
増速フライホィールを動力機構につけると動きが重厚になり、ジワッと加減速するのはとても楽しいのですが、動輪の足取りが重くなるだけで、大きな質量に引きずられる姿にはなりません。

非動力の車輪に疑似慣性を与えること、引きずられたときに逆駆動できることの両方があってこそ、今回の面白さを感じられると思います。

貨車数両に慣性増大装置を乗せて、圧縮引き出しをしてみたいですね。やりすぎると連結器が壊れるかもしれません。
通常の模型では、楽々登るか大空転して全く上れないかの二択になってしまいがちな峠越えも、このような貨車があればギリギリの粘着であえぎあえぎ登る姿が再現できると思います。

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
Recent Comments
Archives
「最新トラックバック」は提供を終了しました。
Categories
  • ライブドアブログ