2020年01月18日

続々 ”Super 800” 

 テンダ台車からの動力採取は、6軸とした。1軸は構造上、捨てる方が都合が良い。7軸中の6軸であるから、十分だ。ディーゼル電気機関車用に開発したギヤボックスが一番小さいので、それを入れたが、ぎりぎりである。当初はギヤボックスで回転軸を平行に持ち上げる予定であったが、とても入らない。また、横から見えるのは避けたい。既存のテンダの上廻り構造変更も避けるべきなので、チェイン・ドライヴとした。

swing motion link もう一つ、このテンダには特筆すべき工夫がある。先台車の心皿がドライヴ・シャフトに干渉する。即ち、心皿のキングピンを長孔の中で左右動させることは、不可能である。この写真の左の写っていない部分にもう一軸ある。それは先台車の前軸である。キングピンは存在しない。

 設計時にそこに気付いたので、リンク機構による左右の偏倚を採用した。当然、偏倚時に所定の角度の回転をさせる。心皿の代わりに、種類の異なる平板を置いて摩擦を減らし、モリブデングリスを少量塗った。滑らかに偏倚する。

swing motion linkage1 ある程度の回転があれば良く、フランジが確実に触っている必要はないので、そこは割り切った計算にした。むしろ、5軸台車の方が苦しい。本物も後進では脱線し易いが、当然だろう。これは、Low-D採用のおかげで脱線しない。軸の左右動を少し許した。

swing motion linkage2 リンクの長さはS氏に検証してもらった。最近はコンピュータの画面上でシミュレイションが可能だ。この図は、northerns484氏に描き直してもらったものである。リンクは、寸法的にはこの通りだが、実際には台枠に当たる可能性があるのと、絶縁車輪のタイヤに触れるのを確実に避けるために逃げている。下の図は 2800R 上の挙動である。

 この図でわかるように、5軸台車は軸方向の動きを許す構造でないと脱線する。

コメント一覧

1. Posted by Tavata   2020年01月19日 23:44
左右支点間の距離について考察してみました。
固定支点間の距離がゼロだと、単なる心向棒、固定支点間と台車側の左右支点間を同じにすると平行リンクなので、台車は全く旋回しません。この作例の場合は心向棒と平行リンクの中間なので、レール円弧に対してやや不足気味の台車の回転になります。
では台車の回転をレール円弧以上に回すには?固定支点間をマイナス距離つまり、リンクをクロスさせると実現できます。これは先台車に積極的な操舵性を持たせ、後ろの固定軸群を強制的に心向させるには良いかもしれません。逆に固定支点間を台車側の左右支点よりも広くしてしまうと、台車はカーブの外を向いてしまい、全く使い物にならないでしょう。

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