2019年12月05日

japan

IMG_20191204_0002_page-0001 japanとは何を意味するか。大文字ではない "j" で始まるのが、今回の題材である。
 chinaは陶磁器なら、japanは何だろう。常識的には漆(うるし)であろう。

 Union Pacific 鉄道 の古文書を漁っていて、見つけた。1930年頃の客車の内外装に関する文献だ。BURNT SIENNA IN JAPAN とか DARK OLIVE IN JAPAN という名前でそこら中に出て来る。

 Siennaはイタリアの地名で、トスカーナ地方の都市である。地面の色は鉄の酸化物のせいで赤っぽい。それを焼いたものは赤褐色の顔料である。それを漆に分散させたものを使っていたことになる。
 vehicleという言葉が見える。これは乗り物という意味で使う場合が多いが、何かを乗せているもの、即ち溶かしているもの、分散媒という意味である。ペンキで言えば、顔料を沈まないように分散させている油である。1920年代に、漆がそんなにアメリカに輸出されていたとは知らなかった。

 漆はもともとの色があり、他の色の顔料を混ぜて色を出すのはかなり難しかったはずだ。筆者が知っているのは、昭和の初めにレーキ顔料(アルミニウム水酸化物などと共に沈殿させたもの)を混ぜる技術が見つかって、黒、赤以外のものができるようになったことだ。それが同時にアメリカの客車の塗料に使われていたとは驚いた。漆の持つ艶、耐久性が評価されたのであろう。

 この古文書は、蒸気機関車の塗装の変遷を調べるために手に入れたもので、いずれ発表するが、いくつか思わぬ発見があった。

コメント一覧

1. Posted by 岡田   2019年12月06日 23:25
こんにちは  いつも貴重な話題楽しみにしております。この間、日本の鉄道創成期の車両の色について、自分なりに古い書籍を見ていたのですが、思ったような記事が無く、故人になった先輩がよく鉄道車両は、当時の価格の安い”漆”系の塗料を使ったと口癖のように言っていたのを今朝思い出しました。ちょうどこの記事を見ました。レーキ顔料という名前は言いませんでしたが、大正の終わり頃から塗料の改良が始まった事をよく話していました。この記事で繋がった事が驚きです。
2. Posted by たづ   2019年12月08日 15:03
漆の耐久性は非常に素晴らしいものですが、「北米で塗料として使用」となると若干の疑問があります。
乾燥には通常の塗料と逆に適度な温度とかなりの湿度(25〜30℃・75〜85%)が必要です。
アメリカ本土だと、東海岸以外はかなり空気が乾燥した印象ですが、どう対処したのでしょうか。
3. Posted by dda40x   2019年12月10日 21:58
 japanは、文字通りですと漆ですが、ウルシのようなものすべてを指すようです。本文中に「常識的には」と書いたのは、それを含めた表現のつもりでした。日本産のウルシ以外のものも指すということです。
 この文書をよく読むと、ウルシの中に分散させるとあるので、我々が見るどろりとした物とは違うような気がします。いわゆるワニスの類かもしれません。
 いずれにせよ、東アジアで採れる、何らかの硬化する樹脂だと思います。現在ではウレタン塗料ですね。
4. Posted by 岡田   2019年12月18日 10:15
3番のコメントありがとうございます。電車マニアが、以前何枚かの金属片をくれたことを思い出しました。見つからないのですが、確か『カシュー塗料』の会社銘版がついていたような?そう、おつまみ等でおなじみのカシューナッツの殻に顔料を混ぜたもののようです。40年位前の電車を解体する時に、故人の先輩が、古い色に興味があるのだったら外板の塗装部をうまく割りなさいと教えてくれた。現在は、ウレタン塗料を使用しているが、以前は『カシュー塗料』を使って手塗で作業をしていたと話していたことを思い出しました。すぐに気が付き塗装会社を調べてみると、『大橋塗料株式会社』のホームページに詳しい説明がありました。http://ohhashi.net/products/list.php?category_id=11

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