2019年10月17日

Sofue Drive

 1985年、3条ウォームが実用化された。 これを世界中に広めたいと、祖父江氏と筆者はかなり努力した。雑誌に発表し、現物を持ってアメリカ中見せて廻った。その真価は理解できるようだが、なかなか浸透しない。

 カリフォルニアのある富豪が、現物を見て目を輝かした。名刺を渡したら早速連絡があり、試しに一台送るから改装してくれと言って来た。

 それは1950年頃の安達製作所製のミカドであった。もともとは酒井喜房氏の設計である。この機関車は動輪がブラス製で、台枠は、t1のブラス板をプレスでコの字断面に曲げてある。軸距離は怪しい。しかもクランクピンがネジ留めであるから、クランクピンが緩みやすいし、磨り減りやすい。正直なところ、改装の価値がない劣悪な模型であるとは思ったが、祖父江氏が丁寧に直してドライヴを入れ替えた。

 それを送ったら、大変興奮して電話を掛けて来た。日本は深夜だったので驚いたが、その興奮はよく分かった。その後の彼の注文数は凄まじかった。300輌ほどの機関車を順次送ってきて、その改造で祖父江氏の生活は成り立った。
 大半はカツミ製(祖父江製)であったが、アメリカ製、韓国製もかなりあった。それらの改装のノウハウも掴め、順調に注文をこなすことが出来た。

 その後30年経ち、その富豪は亡くなり、コレクションが売りに出された。Sofue Drive付きだから、価格はすこぶる高い。しかしすべて売れてしまった。その後、筆者のところに、改装を依頼する連絡が届き始めた。祖父江氏の代わりをせよというリクエストが大きくなってきたのだ。
 本業の仕事を辞めて、そちらにシフトしようと思っていた矢先に土屋氏から博物館設立を頼まれ、Sofue Drive受注はしばらく中止となった。動輪リビルトの道具一式を揃えたのに、日の目を見ることがなくなった。

 しかし、今回あるきっかけで、既存の機関車を改装し、新製に近い形で完成させねばならないことになった。その第1号がこの4-8-4であった。今ボイラまでばらして、新しい缶胴を作っている。50年前の製品のボイラは、一部間違いがあり、ばらさないと修正できなかった。煙室は新製である。給水逆止弁への管は煙室にめり込んでいるのが正しい。そうでないと除煙板との隙間を歩いていけない。キャブも新製である。
  
quartering jig 動輪嵌め替えジグを引っ張り出して、整備した。これはアメリカで普及しているタイプであり、日本ではあまり見ない。これを自作するつもりで、northerns484氏の親しい職人に部品を作ってもらっていたが、彼はあっという間に全体を完成させてしまった。これには驚いた。筆者はジグを自作した、と言いたかったのだが、有難いことに言えなくなってしまった。さてどんな構造であろうか。


コメント一覧

1. Posted by 愛読者   2019年10月17日 15:09
軸を中間でなく軸端で受けているように見えます。どうしているのでしょうね。センタ―穴でしょうか。
そうすると締める時どうなるのでしょう。凹ませるのでしょうか。
2. Posted by Tavata   2019年10月18日 09:59
斜め45°にクランクピンを配置してるのが面白いですね。異なる動輪径に対応するにはピンだけが上下にスライドするのではなく、ピンとジグの相対位置は固定で、ジグ全体がスライドするのではないかと思います。
車軸はバネで飛び出すピンで押さえるのではないでしょうか?
ピンに輪芯の穴を填め合わせて、万力を締めていくとピンがだんだん沈んでいくのではないかと推測します。
3. Posted by dda40x   2019年10月19日 07:43
たくさん連絡を戴きました。すべて正解です。
心高さは最大の84インチ(2134 mm)動輪に適合します。口金高さは限られているので、クランク位置は斜めにするしかなかったのですが、上方45度でなくても下方45度でも良かったのです。
ただ、組み終わったものを取り出すには上の方がずっと都合が良いのです。
「へそ」の部分は精度高く作られ、ガタなく伸縮します。センタは熱処理してあります。

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