2019年10月01日

続々 3Dプリンタによる台車

GSC2 イコライザの裏側には支えがある。この支えは薄く長いので撓む。位置関係を保っているだけである。荷重はコイルバネが受け持つ。
 この写真は台車枠から外した状態である。イコライザの位置は保たれている。そのまま台枠に締め付ければできあがりだ。ナイロンだから出来る。疲労することもない。このアイデアをHOに使えないかという打診もあるが、おそらくうまく行かないだろう。縮小模型は堅いのである。うんと細くするか、別の工夫が必要である。というわけで、これは O scale には適するアイデアである。 

GSCGSC 6-wheel truck この台車はGSC General Steel Castings の鋳鋼製6輪台車である。この市販品がなかったので、新規開発品である。イコライザ部品はプルマンと設計が共通である。ある特別な客車に使うことになっている。 

woodframe プリンタ出力時は、なるべく密に詰めないと損なので、例えばこんな形に並べて出力する。出力後黒染めを施してある。ナイロンは極性が大きな高分子であるから、染色が容易である。塗装するのだが、その前に黒くしてあると気分が良い。塗料を吹き付けると浸み込んでいくのが分かる。防水性を向上させるので、高湿度時の強度低下も防げるだろう。
 ナイロンは水分によって強度が低下する。それはガラス転移温度が下がるからである。要するに常温付近でも流れるようになる。堅い筈の樹脂が曲がってしまうのだ。濡らしてはいけない。  

 ナイロンは結晶性の高いプラスティックで経年変化が少ないものである。荷重を掛けていてもクリープが少ないから、台車には適する。価格が高いところが問題であるが、性能を考えると妥当であろう。今後この種の材料はどんどん進歩するはずだ。ソフトウェアがあれば台車の再生産は容易であるから、将来への不安はない。
 その昔のダイキャスト製品は大半が膨らんで割れている。それと比べると、このナイロン製ははるかに信頼性がある。

 ステンレス製・ピヴォットとの相性はとても良い。0.25%以下でも転がる。POM(通称デルリン)では0.3%ほどであった。 

コメント一覧

1. Posted by 小栗 彰夫   2019年10月01日 18:19
3軸ボギー、素晴らしいですね。もと生産技術屋としては、
中央軸の軸箱を片側のイコライザのみに接合して、
共通化したくなります。部品点数は変わりませんが。
2. Posted by たづ   2019年10月02日 00:21
>プルマンと設計が共通
>ある特別な客車

ジョージア300号でしょうか?
3. Posted by dda40x   2019年10月02日 05:03
>>1
中央軸の軸箱は片方のイコライザにのみ付いていて、反対側は載っているだけです。小栗さんの案は点対称にするということでしょうか。
>>2
Georgia 300ではありません。その台車はこれとは異なり、揺れ枕吊りのリンクが外にあります。それも次に作ります。
それに似たようなprivate carです。
4. Posted by 小栗 彰夫   2019年10月02日 07:41
>>3 おっしゃる通りです。点対称にすれば、
部品の種類が1点少なくて済む、と思ったまでです。
5. Posted by 岡田   2019年10月02日 08:34
こんにちは いつも楽しみにしております。  
11月横浜での運転会でこれらの台車の作例を見せていただければ幸いです。  
6. Posted by Tavata   2019年10月02日 10:17
>>4
私も同じこと(点対称化)を考えましたが、そうすると中間軸の軸箱が左右に分かれてしまいます。
3Dプリンタの場合、金型を使うわけではないので、部品の種類が多少増えても、組立の利便性をはかった方が良いと思います。現設計ならばイコライザを台車枠に取り付ける前(柔らかい内)に、中間軸の輪軸をつけることができそうです。

>>縮小模型は堅いのである。うんと細くするか、別の工夫が必要である。というわけで、これは O scale には適するアイデアである。

可動部品については、ただ縮尺比で比例させても同じ機能は実現しませんので、縮尺別の設計が必要だと考えます。HOやNは宿命的に堅くなることに加えて、模型自身の重さで撓むような柔らかい作りにすると、1/1の人間に手に負えない強度になるので、どうしても太く堅くせざるを得ません。この制約の中で、撓みやすくするには長さを伸ばすことが必要です。HOに左右一体のイコライザを適用するならば、支持材を途中で曲げてZ型にし、台車枠と中央では固定しないなどの工夫が必要でしょう。
7. Posted by 小栗 彰夫   2019年10月02日 21:27
>>6 そうですね。点対称化すると組立はやりにくくなりますね。
金型費の心配がない以上、組立の容易さを優先すべきでした。
失礼いたしました。
8. Posted by dda40x   2019年10月04日 07:49
たくさんのコメントを戴き、反響に驚いています。
焼結ナイロンは、肌の細かさは少し劣りますが、クリープ(荷重を掛けて放置すると、少しずつ曲がること)の起こりにくさ、低摩擦性、染色のしやすさ、弾力の点で他の材料を凌駕しています。今回紹介した台車に使用するのが、今のところ最も賢明な用途であると思います。
価格は高めですが、これから改善されていくでしょう。
9. Posted by 小栗 彰夫   2019年10月04日 11:09
>>8 3軸ボギーの場合でも、素材の弾力性によつては、
イコライザと軸箱は3軸分を一体化することも可能ではないでしょうか。
イコライザと支持部との間をZ形などにして
実質的に長くして弾性を確保できれば・・・と、
また余計なことを考えてしまいました。すみません。
10. Posted by dda40x   2019年10月04日 23:57
 作成時にすべてのものが組んだ状態で同時に出来てしまうので、部品の数等は全く問題になりません。
 体積だけで決まってしまいます。
11. Posted by Tavata   2019年10月05日 20:45
>>9
小栗さまのご意見に毎回反論してしまって申し訳ないのですが、私は3軸一体イコライザは良くないと思います。というのは、スムースなイコライジングを阻害しかねないと思うからです。
イコライザが傾くと、本来であればイコライザ下面と軸箱上面が滑ります。しかし今回の一体出力ではイコライザの傾きと一緒に軸箱も多少傾き、軸距も微妙に変わります。これらは軸箱守のガタで吸収していると推測します。2軸連結の一体出力なら、中間軸の軸箱が受けるイコライザ傾きの影響は繋がった片軸からのみです。しかし、3軸一体出力だと、両軸から影響を受けるため、イコライザによって両側から引っ張られたり、前後軸から逆に傾けようとする力を受ける場合があります。すると相互の力が軸箱の動きを阻害してしまいませんか?
12. Posted by 小栗 彰夫   2019年10月06日 06:59
>>11
Tavata様、ありがとうございました。おっしゃるとおりです。
配慮が不足していました。中間の軸箱の動きが保証されない限り成立しませんね。
(以下、「部品点数を減らすことはあまり意味がないが、分解・組立作業上は
多少のメリットはあるだろう」として思うところを述べます)
3軸一体のためには、中間軸において軸箱とイコライザとの接合が剛ではダメで、
「垂直荷重は受けるが、イコライザに対し軸箱の回転は許容する」が条件です。
これは難しそうですが、よくある樹脂製の一体ヒンジの断面のような形状が
想定できます。イコライザの傾きによる軸距の変動は、軸箱守のガタで吸収、
と割り切れそうに思われます。長文、失礼いたしました。
13. Posted by YUNO   2019年10月06日 13:39
部品点数と組み立て工数を減らすことにこだわるのであれば、本来は離れているべき場所を、直径0.1mmぐらいのとても細い部材で結合された状態で成形してしまう、というのがあります。
組み立てた後で軽くひねると、その部分が折れて独立した部品に分かれる、という仕掛けになっています。
これはバンダイのプラモデル製品で、以前から実際に採用されている方法です。

さらには、複数の浮いたパーツを空間上の任意の位置に印刷することも、最新の3Dプリンターでは可能となっています。重力で部品が落ちないように、印刷物は専用の液体に浮かんだ状態で出力されます。
組み立て工程なしに、組み上がった状態の物が作れてしまうのです。
色々な面で従来の常識が通用しないのが3Dプリンターの面白いところでもあります。

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