2019年09月05日

再度 慣性について

 むすこたかなし氏の記事を読まれた感想を、たくさんの方から戴いた。

 Tavata氏が、慣性力は見かけの慣性力はスケールに応じて小さくなるという証明をされている。その通りなのだ。

 模型を作られる方の中で、模型は本物とは違うと考えた上で作られる方は少ない。特に実物から入った方には、縮小したものを作るとそれが実物のように動く、と勘違いしている人が多いように思う。非常に細かいところまで作って悦に入っているのだが、走りが良いものには、あまりお目に掛からない。あちこちの運転会に行って、走りを見ているが、ギィギィゴロゴロと走る車輛が多い。

 小さい模型は惰力を再現させることが難しい。管 晴彦氏のナロゥゲージの小型機関車が走るところを、ご覧になった方もいらっしゃるだろう。素晴らしい慣性を見せてくれる。HOスケールでここまでの慣性を持たせるために、管氏はモータ軸と同軸のフライホィールを増速している。径が小さいので、高回転にする以外、慣性モーメントの効果を大きくする方法はないのだ。

 縮小模型の慣性は小さい。高校1年程度の簡単な物理計算であるから、模型を作る人は一応やっておくべきだろう。
 摩擦を減らし、質量を大きくし、回転数を上げる。この三つを同時に組合せれば、見かけ上の慣性が増大し、素晴らしい走りを再現できるであろう。筆者が考案した、慣性が本物のように有るテンダの試作機は8割がた出来ているが、博物館が開業するまでは完成できない。

 どんなに精密につくられた模型も、よく走る模型には敵わないということは、椙山 満氏のレイアウト上で体感している。HOの世界では、井上 豊氏の作られた模型の走りが群を抜いて良かった。高校生の時にそれを見せて戴き、その時に受けたインパクトが、現在にまでつながっている。

 2月からの罵詈雑言を含めて多量のコメントを受け取っているが、その中に、
「走行性能ばかりを言うのはおかしい。よく走らなくても良いではないか。」
と書いて来た方があった。
 こういう方が 12 mmゲージ陣営の中にどの程度いらっしゃるのかは知らないが、非常にまずいことだと思う。

 管氏のリンクを更新した。完成時の動画はこちらにある。 (9/6/2019)

コメント一覧

2. Posted by Tavata   2019年09月06日 11:07
やはり、私は模型にとって一番大切な法則は「二乗三乗法則」だと考えます。

むすこたかなし氏にコメントしました様に、同じ摩擦条件でもスケールに比例して、惰行が短かいことが分かりました。つまり小スケールほど摩擦に敏感になるので、抵抗の少ない設計にしなければなりません。加えてフライホイールなどの工夫を上乗せする必要もあると考えます。

私も管氏の機関車を見て、増速フライホイールつきのHOナロー蒸機を作りました。ジワリと動きはじめ、電源オフにした後にワンテンポ遅れてググッと止まる様は運転していてとても楽しいです。しかし平ギヤで増速した宿命で、かなりのギヤ音がします。工業製品であれば高精度の斜歯歯車で解決される問題ですが、小さな鉄道模型工作では望むべくもありません。
その点、dda40x氏の逆駆動ウォーム式の慣性増大装置は音も静かと推測します。完成したらその動きを是非見てみたいものです。
1. Posted by 呉生れ   2019年09月06日 19:21
「走行性能ばかりを言うのはおかしい。よく走らなくても良いではないか。」
このコメントが負け惜しみではなく、本気で考えているのなら、その方は、鉄道模型とは違う世界に居ると思います。
名づけるなら「静態車両模型」愛好家、箱から出しレールの上に置き、上下左右前後から眺め、「良いプロポーションだ、これでなくちゃ!」と陶酔した後は、丁寧に包みなおして元の棚に戻す。

殿様が日本刀を鞘から出して眺めているシーンを思い出します。
(この場合も重要なのは刀の美しさで、切れ味は二の次という所もよく似てます)
3. Posted by dda40x   2019年09月06日 23:16
 コメントありがとうございます。
 お二方とも、こちらが言わんとすることをすでに書かれてしまったので、ブログ記事は書き替えます。

 ウォーム・ドライヴは静粛性が大きな利点です。蒸気機関車を全く無音で走らせることが出来ます。Tavataがおっしゃるように、テンダの慣性増大装置も無音で作動します。ある方が、
「3条ウォームは蒸気機関車のドライヴとしては、最適解だね。」
とおっしゃいましたが、その通りです。

 ソリッドモデル愛好家に売るモデルを用意して、モータ、ギヤ無し、ヘッドライトのみ点燈にすると良いと思います。意外と売れるかもしれませんね。
4. Posted by ゆうえん・こうじ   2019年09月07日 09:16
逆にいえば、ソリッドモデルとまでいわなくても、トレーラーを牽かない単機運転のみでポイント通過のない直線走行専用機にしてしまえば、タイヤ厚み、フランジ高さ、クランクピンの太さ、ロッドの厚みなど 動く鉄道模型としての条件を考える必要がなくなるので、素晴らしい標本模型ができると思います。
5. Posted by dda40x   2019年09月07日 23:33
直線専用ですか。面白いアイデアですね。
翻ってO scaleを考えると、それをやっているのが、Proto48です。
ポイントはスケール通りですから通るのですが、曲線通過がだめです。
作る前からわかりきっているのですが、中々彼らは気が付きません。
6. Posted by YUNO   2019年09月08日 13:06
走行すらしない、居間に飾ってローラー展示台の上で車輪が回るだけの模型なら昔からありましたが、私が見た物はいずれも大して精密ではなかった記憶があります。
きちんと正確に作られた物なら、それなりに需要はあるかもしれません。

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