2019年08月30日

またまた3条ウォーム

時々コメントを戴く、むすこたかなし氏が連載されている記事が興味深い。筆者が自分で書くより、客観的な記事を書いて下さるだろうと思い、サンプルをお送りした。

 このギヤボックスは10年ほど前に、硬いアルミ合金からCNCフライスで削り出したもので、かなり高価なものである。飛行機の部品を作っていたY氏が作ってくれたものだが、再生産は難しい。ネジはM1.4を使用している。ネジ孔はタップを立ててあるが、切削タップではない。転造タップである。これは素人が手で廻すものではなく、高性能のCNCマシニング・センタでなければできない。切削後、黒染めを施してあるので、プラスティック製と間違える人が居る。

 スラスト・ボールベアリングを用いていない。小型化を狙ったので、ラジアルベアリングだけで作った。
 むすこたかなし氏の解説にもあるように精度高く作ったベアリング・ハウジングに油を付けて滑り込ませてある。アウタ・レース(外輪)はハウジングに油膜によって支えられている。油がないと玉が押し出されて、壊れやすいはずだ。

 ミクロン単位で作られているので、無調整で最高の性能を発揮する。噛み合わせの調整は全く要らないというところがミソである。組み立てただけで所定の性能を発揮する。手製のギヤボックスでは到底考えられないところまで行っている。


コメント一覧

1. Posted by 小栗 彰夫   2019年08月31日 00:23
いつも楽しく拝読しております。
3条ウォームのギアボックスの写真を拝見して感じたことを述べます。
ミニチュアベアリングにはフランジ付きがあり、これを利用すればベアリング装着穴加工の簡素化、省スペース化、そして部品点数を減らせる場合があります。
約40年まえ、某光学機器メーカの生産技術部門で治工具・計測器の設計をしていた際、フランジ付きを常用していました。
例えば直径3mmの軸を、6mm厚の板の両面に計2個のラジアルベアリングを装着して支持するとします。板には内径6mm(H7)の貫通穴を加工しベアリングを装着、当然フランジは外側です。
(フランジの外形は7mm強、厚み0.6mm)
スラスト方向の位置決めは軸に2か所の溝を設けて、E形止め輪(Eリング)を使用。Eリングはインナーレースに接触しますが問題ありません。
この方法の利点は、ベアリング装着穴が単なる貫通穴で済むことです。
写真を拝見し、インナーレースに摩擦力を発生させない目的でベアリングを保持する部材が設けられているように判断しましたが、
フランジ付きを使用すれば省略できます。
なおスラスト方向の位置決めは軸の直径を2段階にする方法もありますが、加工時間短縮と、小径側の精度確保を避ける目的でEリングを
採用しました。カラーを使用する方法もあります。
ただEリングは装着だけでなく取外しも考慮しておかないといけないので、直径2段化やカラー使用が必要な場合もあります。
以上、図面がなく言葉だけですみません。
2. Posted by dda40x   2019年09月02日 20:37
小栗彰夫様
 ご無沙汰しています。コメントありがとうございます。
 フランジ付きを採用しなかったのは、コストの面もありますが、精密挽物屋が見つかったことで、油膜で支える方法を試してみたかったこともあります。挽物の価格は非常に安く、十分な精度でした。ハウジング装着部は、断面が半円になっていますが、ベアリングをそこで挟むことにはためらいがありました。
 十分な精度であろうことは分かっていたのですが、ハウジングを挟み込んでも、ベアリングに余分な外圧が掛からないということを優先しました。
 結果としてこの設計で必要にして十分な成果を得ました。

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