2019年06月24日

続々 F scale

 同じ45mmの線路を走るものでも、各種のサイズがある。標準軌車輛を走らせる人(1/32 サイズを採用)、ナロゥを走らせる人、それもメータ・ゲージ、3 ft、2 ftなどがあってややこしい。(2 ftの場合は縮尺に 1/13.5 を採用することになるが、利用者は非常に少ない。)

 その中でもこの 1/20.3 が一番盛んだ。最近驚いたのは、これがかなりのファンを獲得して主流になったので、その標準軌を 70.7 mmゲージで作る人が出てきたことだ。Oゲージの2倍強である。この1/20.3の場合、2 ftナロゥは 32 mmゲージ(厳密には、31.75 mmゲージ)に載せる(うるさい人は30 mmゲージを始めたが、殆ど誰もついて行かなかった)。
 つまり、F scale 1/20.3は、この30年で、アメリカでは、かなり認知された縮尺になったということだ。だからこそ、NMRAの規格に載ったのだ。確かに、アメリカのどの模型屋にも、 1/20.3 の模型が置いてある。よく売れているのだ。
 F scaleの 3 ft ナロゥの巨大レイアウトもある。これは凄い。


 既存ゲージは強いという、一つの証拠だ。45 mmゲージのインフラはLGBに依って拓かれた。すでに十分にあるので、それを生かした模型作りに成功した例である。

 実は、筆者は初めは成功しないと見ていた。1/20.3 という縮尺は実生活にはない数字だから難しいだろうと思ったのだ。
 その昔 17/64 インチスケール(1/45.2 サイズ)のOゲージがあったが、線路幅から逆算される縮尺に拘り過ぎて、自滅した。素晴らしい商品群があったのだが、最早誰も見向きもしない。17/64というスケールがこの世に普遍的に存在しなかったのが、失敗した原因だ。住宅図面などは1/4インチスケールを使っている。MRはそれを見抜いて、1/4インチスケールの図面を提供した。これが効いたという説もある。
 その後の O scaleは少し小さい1/4 インチスケール(1/48 サイズ)になり、十分に発展した。これはゲージ幅が6%強広いことを無視している。

 F scaleの 場合はこのOゲージの失敗例を覆して、ゲージを縮尺に合わせて成功させたことになる。それはふんだんにある45mmのインフラを最大に活用することにより、奇妙なサイズだが、それを乗り越えて得られる果実が大きかったからだ。室内まで作って楽しむという、新しいジャンルを切り開いたのだ。ドールハウス遊びに似ている。
 しかし日本でのファンはあまりいない。少々大きいが、庭で遊ぶ分にはそれほど問題ではないと思う。木製が多く、価格もそれほど高くない。エポキシ接着剤で組まないと壊れやすい。即ち時間が掛るキットである。

 鉄道模型の歴史を見ると、まさにマーケティングのケース・スタディをしていることになる。根底にあるものは何か、を感じる。


コメント一覧

1. Posted by northerns484   2019年06月24日 23:18
単なるご参考ですが、F Scaleで、Rio GrandeのM-68を作った人がいます。巨大です。

https://www.cumberlandmodelengineering.com/HemmeterGalleryM68.html

画質がかなり悪いですが、ローラー台の上で試運転している様子がこれです。
https://youtu.be/Uu8UKI-R8SQ

この動輪の輪芯は、O-Scale Westの常連?のBill Brisko氏が3Dプリンタを使ってロストワックスで製造したとのことです。
http://www.pacificlocomotive.com/
2. Posted by dda40x   2019年06月25日 08:02
このサイズのレイアウトがあると凄いでしょうね。ライヴスティームの大きさです。
この機関車の動軸周りの出来が良くて、感心して見ています。精度高く出来ています。
往々にして、ローラ式試運転台の上で動かすと軸の微妙な振れが見えてしまいますが、正確ですね。

3. Posted by Tavata   2019年06月25日 08:33
不思議なのが1/20.3という中途半端な縮尺です。
大手メーカ(バックマン)はCADで設計していますし端数がある縮尺でも全く問題ないのでしょう。
Fスケールは20世紀最終盤以降の規格なので、コンピュータの普及がこのスケールを受け入れやすくした要因の一つではないかと予想します。
手計算で奇妙な縮尺への対応は大変です。

もっとも、1/20はF scaleから僅かに1.5%違うだけで、Oゲージの誤差範囲の1/48と1/43の違いよりもよほど小さいので、人によっては(もしかしたらメーカも)1/20にしているかもしれません。

45mm庭園鉄道はLGBやメルクリンがトイライクなウェスタン調製品を出していたことからも、アメリカ市場が以前からあったのでしょう。
そこにバックマンが、以前から人気のあるシェイやコロラドナロゥを廉価かつほぼスケールモデル(やはりトイライクより魅力的に思う人が多い)で飽和攻撃的に発売し、一気にデファクトスタンダード化したように思えます。

既存インフラ、大手メーカの量販力、時代背景からの受け入れやすさ、それらが総合的に影響して成功を収めたのではないでしょうか?
4. Posted by YUNO   2019年06月25日 14:02
図面を書いただけでは物は作れません。
DROなどデジタル機器のアシストやコンピューター制御の工作機械が安価になり、どんなサイズでも手間が変わらなくなったのも要因として大きいでしょう。今や3Dプリンターさえあれば、ネットで公開された1枚の図面から、異なった縮尺の車両がいくらでも作れてしまいます。
縮尺にこだわったHO1067などの製品が生まれた理由の一つにもなっていると思います。
逆に、ゲージや縮尺の論争が活発になったのも、工作の自由度が増した結果とも考えられますから、功罪あったと思います。
5. Posted by たづ   2019年06月25日 19:29
リンクのレイアウトを拝見しました。
非常に細密で素晴らしいと思うのですが、一つ不思議に思う点もあります。
同じ45mm軌間ではありますが、LGB等の線路に比べてかなりレールが細く見えるので、タイヤコンタはどれを用いているのか、です。
>3.
1/20.3という縮尺は、英国零番〜OO〜HOの流れの「1フィートを何mmに」という”〇mmスケール”の考え方の結果ではないでしょうか(計算上15mmスケールになります)。元図がフィート・インチ表記という前提ですが。
6. Posted by Tavata   2019年06月25日 22:07
>>5
そうでしたね。3 feetを45mmにするので、15mmスケールです。
お粗末な考察をしてしまい、失礼いたしました。
7. Posted by dda40x   2019年06月27日 22:06
たづ様
この動画のレイルは、おそらく高さ5mm、頭の幅2.5mmのものです。
LGBの高さ8mm強、幅3.5mmに比べるとかなり細く見えます。アメリカの市場では、よりスケールに近くすることを欲する人も居るので、各種のレイルがあります。2 ft軌道の場合ですとますます太く見えるので、それを避けて細いものを使います。Oゲージ用のレイルを使う人も居るようです。そうなるとフランジ高を小さくしたくなる人も居ます。現実にはスパイクには当たりませんが、気にする人が居るようです。

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