2019年06月02日

HOとは

 アメリカで(これを書くと拒否反応を示す人がいるが、客観的な話である)、”HO”の軌間を数字で言える人はとても少ない。インチでも、mmでも良いから言ってみてくれと頼んでも、言えない人が大半である。half O だから、1-1/4 inch の半分で5/8 inch かな?と言う人も多いが、間違いだ。
 ほとんどの人は、”HO is HO.” でおしまいである。即ち、「HOはあの線路を走る模型」と頭の中で固定されているように見える。即ち線路軌間を指している。しかし、その上を走ればすべてHOと言うかと思えば、そうではない。

 On30は巨大である。小さなトンネルをくぐれるわけがない。この大きさという概念が、その線路の上を走る模型の”集合”を小さくする。その線路を走り、なおかつ大きさの制約(場合によっては建築限界)を満たすものはHOと呼ばれるはずだ。1/80の16番、1/76のOO、1/87のいわゆるHOスケールの標準軌車輛、山崎氏の言う1/90の満鉄、鮮鉄車輛は、すべてHOであると言っても何ら問題ないはずだ。
  現在の日本では"HO"という言葉が縮尺、軌間両方の意味を包含して使われており、"HO"という表記のある模型車輌(特にプラ製品)は"HO"と呼ばれる線路の上をHOの外国車輌と一緒に走ることができる。これは16.5mmゲージ向けの"HO規格"に準じて作られていることに他ならない。それゆえ、規格について論じてきた"HO"という言葉を、縮尺1/87、3.5mmスケールのみを示す言葉として狭義化し、HO規格を無視する主張には同意できない。

 「HOという語は1/87以外を指さない」という証明は、極めて困難だ。
 ここまでのことをまとめると、初めは線路ありきである。線路を走るようにした模型の一群を考える。それがいわゆるHOというカテゴリである。縮尺はいろいろあるが、走る大きさなら、良しである。


 後に世の中が豊かになり、同じ縮尺で並べたいという人たちが現れた。それは結構だが、そういう人は、数は多くない。C62とBig Boyを並べることに、どういう意味があるのかはわからないが、やりたい人がいる。図面を見ればおしまいであるのに。

 縮尺を優先すると、ゲージは多数出現する。それに拘る人は拘る。その結果が、現在である。しかし将来も、この状態が続くとは、なかなか思えない。そのゲージを引張る"prime mover" がいなくなれば難しくなるだろう。 殆どの人にとって、線路、輪軸の調達は難しいことなのだ。いつでもどこでも手に入るということは極めて大切なことである。少数の尖った人が、大多数に対して挑戦的に、「1/80はHOではありません」ということが正しいかどうかは、ある程度の年月が経てば自然に証明されることではある。


コメント一覧

1. Posted by 読解力あります   2019年06月03日 08:10
某掲示板にこのブログの揚げ足取りがあります。その中で、「HOという語は1/87以外を指さない」という証明を書いている人がいました。NMRAでは3.5mmスケールと決めて・・・という勝利宣言してますが、このブログの文脈では、そんなことは言ってません。
HOという言葉は線路幅にも使われている、と書いてありますね。
国語の勉強をしてこなかった人たちですな。
2. Posted by dda40x   2019年06月03日 17:35
某掲示板は、足を踏み入れるとどういう訳か、そのあとコンピュータに不調をきたしますので、見ません。
何が書いてあるかは想像がつきます。読解力のない人は多いでしょうね。
人格攻撃も始まっているようですが、こちらが好きでもない人に嫌われても、私は気にしません。
まともなことは切り抜いて送ってくれる人がいますので、参考にはします。あのような場所では、少数でしょう。
このブログは次世代の人たちに向けてのメッセージです。頭の固い人たちには受け入れられなくても仕方ないでしょう。
手の手術を受け、博物館の大工仕事はしばらく休みましたので、それに合わせて書いておいた記事もようやく終わりに近くなりました。
4. Posted by コン   2019年06月04日 17:15
 dda40x氏の主旨は、線路と車輪の規格がきちんと走る鉄道模型では一番大切で、そこを(タイヤを薄くしたりして)いい加減にすると、走りの悪い模型になってしまうという警告と理解しています。自分もかつて、この事では大きな過ちをしました。その残骸が残っていますので、自分のブログでお披露目しましょう。また、故U師はタイヤの厚いのが嫌いで、OJからOJファインを始められましたが、広まる事無く頓挫してしまいました。IMON氏のようなに「アート志向」のモデラーは実感を追求するあまり、ファインスケールの魔境に陥りやすいのだと思われます。規格さえ守れば、誰の作った車輌でも、どこでも走らせられるというのがHOの利点ですので、愛好家がどんどん増える一助となるでしょう。
 さて、「1/80、16.5mmはHOではありません」、が正しいかどうかについては、HOという用語の解釈の問題だと思います。すなわちIMON氏はHOを3.5ミリゲージの縮尺の規定として解釈しているのに対して、エンパイア氏は軌間16.5mmの線路を走る鉄道模型の規格だと解釈しているのですから、議論は噛み合わないと思います。ですから「1/80、16.5mmはHOではありません」はHOをどう解釈するかで、正しいとも間違いとも言えると思います。ところでエンパイア氏の主張するHOはその内容から考えると16番に近似していると思います。では「1/80、16.5mmは16番ではありません」といったら、多くの方は違和感を感じる事でしょう。したがってエンパイア氏のHOは日本では16番に該当すると言っても間違いではない事になります。自分は16番は「規格」ではなく「思想」であり、16.5mmの線路を間違いなく走るのであればエンパイア氏のHOと同じ事だと思います。
 現在、同じモデルを16番と13mmで作って比較検討してみることをやっていますが、結局は「好み」であり、優劣は付けられないというのが、自分の感想です。旗幟鮮明に出来ない書き込みで失礼します。
5. Posted by 01175   2019年06月05日 01:05
 メルクリンはHOの「本家」と目されていますが、1980年まで生産されていた同社のドイツ国鉄44型(製品番号3047)は1/82くらいのサイズです。主台枠が屈曲するという特異な構造とモーターの大きさが関係しているようですが、他社の同型機と並べると”16番”と"1/87、 12mm"が並んでいるような感じです。
 OOは1/76ということになっていますが、僅か数輌しかない手許の機関車を調べた範囲でも1/72(Trix LNER A3)から1/82(Rivarossi LMS 6100)でかなり振れ幅がありました。
 安価だったがゆえに日本型のマニアでも所有されている方が多いブルーボックス時代の”アサン”のフードユニットのディーゼルですがモーターの関係でフードの幅の縮尺がOO相当になっていてウォークウェイが異常に狭くなっていることで有名でした。
 固定的な模型が1/35とか1/72という具体的な数字を掲げていることとは異なり、動く鉄道模型がHOなどという表記で示されることには縮尺の分母に幅があることを示唆する工夫であったとも考えられないでしょうか。
6. Posted by dda40x   2019年06月05日 08:22
01175様
コメントありがとうございます。
アメリカやヨーロッパ(イギリスを含む)の模型屋でHO関連のセクションを見ると、同じ形式を数社が出していて、明らかに大きさが違うものがありました。
どれも”HO”と称していましたから、それを見て最近はOOが下火なのかと思いましたが、健在です。縮尺というのは製品においては、かなりの自由度があるようです。レイアウトをお持ちの方で、すべての車輛、建物、自動車、人間などのサイズが完全統一されているのは極端に少ないでしょうね。
そういうことを無視した論争は無駄なことです。
7. Posted by dda40x   2019年06月05日 08:28
コン様
私も確かに16番は最近のHOの概念と似ていると思います。しかし、1/87、12mmがHOかと言われると、それは違うだろうと思います。外国からの視点も必要です。それを書こうと思っていたところに、面白い投稿がありましたので、いずれ紹介します。

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