2019年05月23日

続々 Empirebuilder氏からの最終意見

 日本のゲージ論は、以上のように、思い込み、恣意的な歴史の歪曲をベースにすることが多く、意味を成しません。山崎氏が主役のゲージ論は、もう必要ないのです。私が歴史は関係ないと言ったのは、そういう意味です。 

 今回のきっかけとなったファインスケールについてですが、finescale としてまず書きます。初期の鉄道模型はおもちゃ、TOYであると書かれています。それが一歩進んで、スケール志向が出てきます。ゲージが主であった時代に縮尺が規定され、車体の大きさとゲージの関係が重要視されてきました。NEM規格やNMRA規格はこの集大成として作られたわけです。ただ、これでも縮尺通りになっていないとして、さらに追及することにより finescale が生まれてきました。 

 NEMNMRA規格にも finescale 規格がありますが、現実問題としてきちんと製品化された製品はないと思います。したがって、一部の技術のある人たちが、すべて自作する覚悟で作るための規格だと思います。線路ではポイントが特に問題となります。また曲線もHOで半径数メートルといったサイズで、とても一般的とは言えません。現状では夢物語に違い規格ですが、日本では、ゆがんだ形で車輪のみ、エセfinescaleのような真鍮製品が作られています。線路の自作を強いるような製品を、なぜ作るのか疑問です。原因は日本には規格がない、ホームレイアウトは夢で年数回体育館サイズのレイアウトで走らせることがせいぜい、ということが原因と思います。つまり、鉄道模型として楽しむことを、かなりの部分諦めている状態です。そのため、走行用にはHO規格に沿ったプラ製か、Nゲージの選択となっているようです。本来の鉄道模型からすると、ゆがんだ状態と思いますが、日本という特殊な国ならでは、といったところでしょうか。いずれ高価すぎる真鍮製品はいずれ消えると思います。と言うより生産量を考えると完全な絶滅危惧種と言えます。プラ製品が主流になれば、ホームレイアウトも増えるかもしれません。プラ製品には、ぜひNMRA規格に沿ってもらいたいものです。 

ゲージが縮尺通りならば、ファインスケールである。」との解釈は、dda40x氏のおっしゃる通り、誤解のもとです。雑誌が使っているのを知って、その見識を疑います。雑誌の編集者には、もうプライドもないのでしょうか。カタカナ化すると、英語本来の意味を失う好例でしょう。 

 HO gaugeが和製英語と信じている方の説得はできません。ただ1/80HOであると考える根拠がある、と知って戴けたと思います。自分には、もう関係がないと思えることも書いてきましたが、これは一種の将来への警告です。このままでは、将来大きな問題が生じます。



コメント一覧

6. Posted by DS   2019年05月23日 14:52
日本で規格が無い状態というのは感じるところがあります。

この一連の話題だけでなくインターネット上で見られる「ゲージ論」は大雑把に分けて二つの軸があるように思います。
一つ目は、このブログで警鐘を鳴らされている、いわゆる「ファイン」な模型、縮尺に注目した話。
二つ目は、日本では規格が曖昧になっているところがあるから、日本独自(できれば縮尺通り)の規格を定めよう。

どうしてもこの二点が混ざって語られてしまっているように思います。

一つ目に関しては、「メジャーであり定まった規格のインフラを使うべき」という指摘と「線路や車輪の幅等に注目した縮尺論」が噛み合わないままのように見えました。

二つ目に関しては、「規格に従っていない、規格がない」という指摘に対する回答として「だから日本独自の規格を作るのだ」という方向に(とくにファイン指向の方は)流れていきやすいように見えました。

2019年01月26日の記事「続 日本の”ファインスケール”という言葉」で端的に記されています。

「結論として筆者は、新しい規格を出される方は、車輪、線路を同時に、しかも大量に供給できるという前提で話を持ち出すべきであると思っている。そうでないと、線香花火のように消えて行ってしまう。」
7. Posted by 一式陸攻   2019年06月02日 09:09
5 前回当方であれば理解して戴けるとのコメントを戴きましたが、情緒的に受け入れるまで時間がかかりました。
HO(の車両のボディなど)はとにかく1/87であるという認識が強く支配していたからですね。
ただ、現状日本は少数とは言え1/87の日本型パーツなども出回っているためHOであることとともに1/80、或いは1/87であることの明記は必要の範疇にあるかなと思います。

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