2019年05月11日

glaze のこと

 先回 glaze という言葉を出した。現在では glazed と言えば、ガラスが嵌まっているという意味である。アメリカでは、glazedと言えば、甘いお菓子である。ドーナツに融かした砂糖をかけて、つるっとした感じにしたものが、それだ。ナッツにも glaze が掛けてあるものがあって、それは大好物だった。
 glazeの語源は、glass と同じである。透明で、つるりとしていることを表す。艶を出すことだ。

 さて、Floquilという塗料があった。ラッカとは異なり、エナメル系で空気と触れて固まるタイプである。顔料が重金属を含み、環境によろしくないと廃業してしまった。筆者はその前に大量に買い込んだので、当分は足りる。この塗料は重金属硫化物の結晶などを顔料にしているので、粒子が大きく、粗粒面になる。完全艶消しである。艶を出そうと思うと、粒子の隙間を埋めるバインダと呼ばれる成分を増やさねばならない。その成分を含む液体を”glaze”という。たいていは 1 oz 入りの小瓶だが、筆者は 8 oz 入りの缶を入手した。沢山持っていたが、これが最後の一つである。この缶を見たことがある人は、アメリカ人でも殆ど居ないそうだ。普通は1ozの瓶入りである。
 この glaze を入れると顔料の隙間を樹脂が埋めるので、艶が出るから、ディカールが貼りやすくなる。

Glaze 空き瓶の中を綺麗に洗って、小分けしておく。こうしないと使いにくい。今回は8つの瓶に分けた。フロクイルの説明書には5%以上加えるとあるが、30%くらい入れないと艶は出ない。

コメント一覧

1. Posted by 塗装に悩む者   2019年05月20日 23:45
Glazeの使い方を初めて知りました。いままで完全艶消しで困っていました。仕方がないので、艶出し塗料を上塗りしていましたが、良くないです。
もうFloquilは手に入らないので試すことが出来ませんが、正しい知識を得ておけば良かったと後悔しきりです。
某辞書風サイトにも書いてありましたが、grossというキモイ言葉があって驚きました。glossですよね。
2. Posted by dda40x   2019年05月21日 11:44
 フロクイルは素晴らしい塗料でした。ただ、顔料の粒が大きく、乾燥時に粗粒面になります。無機顔料を昔ながらの製法で分散させていたので、仕方ありません。
 しかし、赤や黄色の発色が素晴らしく、他の物では代替の効かないものです。カドミウム化合物の色です。

 綴りのミスは、教えてあげてください。日本の英語教育ではLとRの違いを正しく発音できる人が少なく、その結果このようなミスが散見されます。確かに”キモイ”ですね。

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