2019年05月05日

LA-SLのBig Boy

tenders2 博物館に持って行ってあるLocomotive Cyclopediaを見た。1944年版1950−1952年版にそれは載っていた。1941年版には載っていない。これらの年度のロコサイクロは珍しく、日本にはほとんど無いようだ。前者は蒸気機関車が先に収録されているが、後者では蒸気機関車は後になっている。ディーゼル電気機関車の時代になったのだ。
 American Locomotive Company(Alco社)はテンダの設計例を3種用意していた。真ん中のは、ビッグボーイその他に用いられた。上は採用例がない。
 下の図が、今回話題の図である。Los Angeles-Salt Lake線のことは、LA-SLと呼ばれた。現在のI-15号沿いである。 

16-wheel tender もう少し大きな図で見よう。従台車の形は、常識的な形とは異なるはずだ。5軸のイコライザの終端は、外側台枠だから、それと結ばれるように、従台車のイコライザが台枠に平行に伸びて来なければならない。床板は内側に強度部材が付くはずだ。最後端は復元装置の扇型のコロが付く。
 テンダ後端は、曲線上で建築限界に接触しないように、少し絞り込まれる。このあたりのことが、ベネット氏の絵からは全く読み取れないのが、残念だ。
 また、大型の4-8-4のキャブ(運転室)の形は上から見て長方形ではなく、台形であるということはあまり知られていない。オゥヴァハングが大きいので、少し絞らねばならないのだ。彼の絵を見ると、そういうところには配慮がないことがわかる。30年前に見せて貰った絵は、蒸気機関車が主であったので、筆者はそこが気になって仕方がなかった。

 給水温め器がWorthinton SAであれば、煙突前のスペイスは それに充てられ、ベルのサポートは煙室戸に付けざるを得ない。給水ポンプは太いので、今までの排気インジェクタの場所には付かない。その配管はどうすべきかなど、考えるべきところはかなりあるのだが、彼はそんなことには無頓着だ。

 ロッドのSKFベアリングは、どうやら、サイド、メイン両方に採用したナイアガラと同等のものらしい。これは、他の機種の仕様書を確認した上での推論だ。それだけでも外観上はかなりの変化がある。ロッドは、3Dプリンタで作ったロストワックス鋳物を採用すればすぐできてしまう。CNCで彫刻するという手もある。

 Big Boyの試運転が始まったようだ。井上豊氏の話にもあったが、試運転はフルギヤで行う。そうしないと圧力変動が大きく、焼き付きが起こるそうだ。 

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