2019年01月16日

続々 finescale とは

 ゲージは縮尺値に正確でなくても、筆者はあまり拘らない。ただ、広い場合には、蒸気機関車の設計で困ることが多い。タイヤ厚も本物より大きいので、ロッドの収まりが良くない。クロスヘッドを外に動かして、ピストンロッドの中心からわずか外に出す例が多い。そうしないと走らない。Oスケールは、実物より6%強広い。

 車輪の厚さについてこだわる人が多い。薄くなければファインではないと信じているのだろう。ポイントさえなければそれでも良いのだ。実際にはポイントがあるから、フログの欠線部のことを考えねばならない。

 Low-Dの設計では、欠線部で落ちないことが優先順序のかなり高いところにあった。だから、車輪厚さはやや厚い。既製品の中には意外と薄いものもある。それらは、ことごとくフログの欠線部にはまる。フログは削れて凹み、ますます落ち込む。それは、Oスケールでは決して無視できない。通過頻度の高い本線では深刻な問題だ。筆者のダブルスリップを滑らかに通過する動画を見て、
「ありえない静かさだ。」
と言った人は多いが、
「なぜか?」
と問うた人は少ない。

Wheelsets この写真をご覧戴きたい。NWSL や ATLASと、Low-Dとの違いである。アメリカ人は薄い車輪が好きな人が多い。それがどういう結果をもたらすか、は考えない人が多いようだ。説明してやっても、半分は上の空だ。しかし、現実にLow-Dだけの車輛群を走らせてやると、仰天する。あまりにも静かで、ポイントで動揺しないからだ。この写真を撮るとき、手前から向こうに並べたものを望遠レンズで斜めに撮っているので、上の方はより狭く見える。手前の三つは同じゲージである。

Proto48 vs HO wheel Proto48の車輪が少し見つかった。こんな感じである。右はHOの13.5 mm径車輪だ。フランジはHOより薄い。
 これが間違いなく走る線路を用意するのはなかなか大変なようだ。先日ポイントのフログは8番と書いたが、それは標準軌の場合である。狭軌ではもっと大きな番手が必要になる。作図して確かめられると良い。作図をしない人が多いらしく、この質問は多い。作図は必要最小限のことである。

 ファインスケールという言葉を持ち出す人は、自分の提唱している車輪規格を売り込みたいのだろう。それは他より優れている、と信じているのだろう。決してそうではないのだが気が付いていない。売り込みたいがゆえに、禁じ手に手を出している。ファインを考えるなら、線路規格と同時に考えねばならないのだが、そこまで頭は廻っていないとみえる。

 車輪の形状は長年の積み重ねで、このような状態に決まってきたわけだ。「よく走る」ということを考えると、ファインな車輪というのは、様々な点で問題が大きくなる。その点、大阪合運でお会いするHOJCのグループの方達は、よくやっていらっしゃると思う。筆者は、そこまではとてもできない。
 すべてをゼロから始めたからこそできるのだ。Oスケールには100年以上の歴史があり、ある程度形が決まってからの数十年の遺産があるので、それらとの共存を考えると Low-D しか方法がなかった。当博物館の線路はRP25が来ても通るようになっている。そこに Low-D を通している。非常に静かである。大きな軸重の機関車が来ると、ドスドスという音がするが、落ち込んでいるのではない。
 Proto48の連中はあまり深く考えずに、実物の完全縮尺をしたので、問題が噴出している。 

コメント一覧

1. Posted by Tavata   2019年01月16日 19:13
ナローの方が、同じ番手だとフログのレール欠損部が長くなるのは、目から鱗でした。
考えてみれば当たり前で、分岐側の曲線レールと直進側の直線レールがクロスする位置がフログなので、ナローの場合は分岐側レールがそれほど角度を持つ前にフログにぶつかってしまい欠損部が長くなりますが、標準軌なら分岐側レールがもう少し進んで角度を得てからフログにあたるため欠損部が小さくなるということですね。(自明ながら直角クロスが欠損部最小です。)
ゲージとスケールの6%差というのは16番やNの2割以上広い軌間と比べれば十分に"ファイン(日本語)"に思えます。
タイヤを厚めといいつつも、かなり"ファイン"に見えるLowDでフログのフランジウェイ対岸に乗って走れるのは、元から相対的にフランジウェイを狭く作れるOスケール以上ならではに思えます。ヨーロッパのHOなど巨大フランジでフログの底を走っています。

2. Posted by Tavata   2019年01月17日 08:07
先日コメントいたしましたフログとケージの話は完全に私の勘違いでした。すいません。
分岐番号でフログの角度は定まってしまうこと、ゲージによって同じ番号でも分岐半径が異なることを理解しておりませんでした。
http://www.geocities.jp/jtqsw192/FIG/300/point123.htm
dda40xさま、ご指摘ありがとうございました。ブログでの解説お待ちしております。
3. Posted by U太   2019年01月17日 09:55
正縮尺だファインスケールだと唱えられる方の多くは縮尺や軌間といった判りやすい数字だけをうんぬんされていて、車輪の厚さやバックゲージといった走らせるための基本に無頓着なのは残念です。一度でも自分でポイントをスパイクしてみれば判る事なのですが・・・・
HOn3のレイアウトを全線ハンドスパイクで作ったことがありますが、線路と車輪をNMRAゲージに合わせて作れば脱線皆無で、なるほど模型を走らせている国の規格だなと感心しました。それに比べるとHOn21/2はNゲージの車輪寸法がメーカー毎にバラバラなので苦労します。車体寸法の1/80と1/87の差以前に車輪寸法の差が大問題なのですがね。

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