2019年01月04日

蒸気機関車の音の再生

618_0131 正月に音楽家の友人に招かれて、演奏を聞いた。彼は仕事をやめた後、専用の建物でジャズの教室、演奏会を開いている。設備は相当なものである。各種のオーディオ装置を完備し、レコードは1万枚弱を持っている。彼はもともと電気工学出身で、オーディオは専門家であった。
 レコード再生には非接触のレーザ光によるプレイヤを用い、 特殊な真空管アンプを通して聴く。スピーカはイギリス製の何とかという珍しいブランドだ。巨大な超低音再生スピーカもある。それを入れたり切ったりして、効果を確かめながら聞いた。

 筆者は、アンプはFETがベストという結論を持っているので、真空管アンプ至上主義者からは睨まれている。それは物理学的な考察の結果であり、情緒的なものではない。少なくともFETは安い。安くていい音がすれば良いではないかということだ。
 それはともかく、今回は彼のオーディオ装置を通して聞かせて貰うことになった。真空管アンプ特有の音がし、それはそれで楽しめた。

618_0129 筆者を招待したので、友人は蒸気機関車の音を収録したレコードを特別に用意して、待っていた。全員の前でそれを再生した。素晴らしい臨場感で、感動した。
 Santa Feの最終蒸気運転のレコードで、4-8-4がロスアンジェルスからパサディナを抜け、カホン峠を行く様子が収められている。B面にはデイライトとキャブ・フォワードの音も入っている。後者はスリップして、音がずれていく様子が分かる。
 我が家でいつも聞いているCD再生音とは、根本的に違うと感じた。ここからは彼の講釈である。

 CDは20,000 Hz以上の周波数をカットしている。しかしレコードはそうではない。極端な低周波も高周波も一応、物理的に可能な範囲を収録している。その部分はHi-Fiではないかもしれないが、ゼロではない。
 音響効果が考えてある部屋でそれを再生すると、様々なものに当り、共振させ、耳に入る。共振は倍音、半音その他いろいろな成分を持っている。それが総合されて耳に入るので、臨場感が生まれる。この音をヘッドフォンで聴くと、面白くない。反響、共鳴がほとんど期待できないからだ。


 臨場感は本物と同じという意味ではない。本物ではないが、聞いた人に「そうかもしれないという感じ」を与えるような響きを生じることらしい。彼の意見に完全に同意はできないが、かなり説得力のある説明であった。ちなみに筆者は聴力試験の結果、12,000Hz以上はほとんど聞こえていないらしいが、違いは感じた。

 帰宅後、手持ちの蒸気機関車の録音を全部聞いた。頭の中は排気音と汽笛で満たされた。DCCの再生音とは違う。もちろんPFM方式とも根本的に違う。
 
 余韻に浸っているうちに、様々なことが頭の中を巡り、しばらく前のMRに載っていたオーディオ方式を試してみたくなってきた。それは、車載DCC以外に、固定されたDCCからの音声のうち、重低音部分を重低音専用スピーカを経て、レイアウト全体にばらまくというアイデアだ。低音は指向性がないので、一箇所あれば有効だ。
 ディーゼル・エンジンの腹の皮がぶるぶると共振するような重低音を味わうことができる筈だが、隣の家のガラス戸が震えるかもしれない。面白そうだ。

コメント一覧

1. Posted by 千葉の藤井   2019年01月04日 02:03
あけましておめでとうございます。
聴いてみたいなぁー
2. Posted by モハメイドペーパー   2019年01月04日 11:05
 原音再生と臨場感の違いですね。野外での録音にはいろいろな音が混じるので、単純にノイズをカットするとおろしろみもなくなってしまいます。
3. Posted by ゆうえん・こうじ   2019年01月04日 23:34
スピカーが性能や大きさもかなり音に関係すると思います。同じSL1でもdda40xさんのところのOゲージの機関車から聞くとHOゲージの機関車から聞くのとはかなり感じが違いました。
小さな模型に最近の小さなスピーカーを苦労して搭載しても音はイマイチですね。私はもう小型機関車にスピーカーを乗せるのは断念して、トレーラーか固定スピーカーから音を出す方向で考えています。
またおっしゃるように音をすべて車載スピーカーから出すというのは限界があると思います。重低音はレイアウトの固定スピーカーから出すのはよいと思います。だだDCCでそれをやろうとすると、車載DCCからの音と固定DCCからの音の同期、特にブラスト音、をとるのに一工夫必要なようです。
4. Posted by Tavata   2019年01月05日 17:30
あけましておめでとうございます。
今年もブログを通じて「鉄道模型とは何だろうか?」を考えさせてください。

鉄道模型では、実物通りの構造では、実物の挙動や音を引き出せるはずがなく、「実物に模した」挙動をするような工夫や音によって臨場感を出そうとしていますが、
レコードでも、録音した環境を聞き手が再現できるはずはなく、その中でスピーカーや音響配置を工夫して臨場感を出すところが似ていると思いました。
いずれも「再現」というアナロジーがありますね。

今年もよろしくお願いします。
5. Posted by dda40x   2019年01月12日 20:38
早々にコメントをお寄せ戴き、ありがとうございます。
オーディオの道は難しく、若い時にはのめり込んだこともあるのですが、耳がだんだん劣化しているので、あきらめました。
久し振りに音響効果のある良い部屋で大音量で聴きました。重低音で、その辺に置いてあるものがチリチリと震え、蒸気の高周波音が何かに反響して良い気分でした。

今年もよろしくお願いします。

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
Recent Comments
Archives
Recent TrackBacks
Categories
  • ライブドアブログ