2018年12月01日

ユニヴァーサル・ジョイントの問題

 阿里山のシェイの問題が明らかになって、多くの方から連絡を受けた。1960年代から様々の媒体でシェイの存在、運行状況が紹介されてきた。どの写真も位相が間違っているとのことである。それに気付かなかった日本の鉄道趣味界の底の浅さを残念に思う、という内容のものが多い。全くその通りなのである。自称技術者の人たちがどうしてそれに気付けなかったのかは、全くもって不思議である。

 それを受けて、northerns484氏が、数学的な証明を紹介されている。数学に自信のある方はじっくり取り組まれると良い。結論は単純である。機構学の教科書にも証明方法が載っている。この種の証明は図が勝負である。うまい絵が描いてあると一発でわかる。

 最近の記事は、「ユニヴァーサル・ジョイントの角度を同じにすれば等速になるので、ジョイントの位置を考える」ところまで来ている。ここまでは筆者も考えた。
 しばらく前の伊藤剛氏のアイデアが面白いので、紹介する。この記事は「模型大学」の2009年2月号に載っている。そこには筆者も登場しているのだ。

universal joint 2 二つのジョイントのなす角が等しくなるようにするのは難しいので、モータを動かすのだ。”えへへ冗談ですよ”と書いてあるが、無視できないアイデアである。
 モータはもう一つの台車の上に載せるとある。


コメント一覧

1. Posted by Tavata   2018年12月02日 09:02
northern484氏の式展開、素晴らしいです!
簡易型や二つのジョイント組み合わせの角度変化も示されていて実践的です。
台車を乗り越した位置にジョイントを設置することで等速状態を実現することへの証明もあり、とても面白かったです。
伊藤剛氏の面白いアイデアも、前後台車のウォーム軸をユニバーサルジョイントでつなぎ、台車に装架したモーターを使って駆動すれば、実現できますね。(床下機器の問題はありますが、ディーゼル機関車のように床下のほとんどが燃料タンクならなんとかなりそうです。)
なおnorthern484氏のジョイント台車乗り越し案は、台車の角度に依らず常に等速なのに対して、伊藤剛氏のモーター台車装架案は線路の線形次第では非等速になります。それでも通常のジョイント配置よりはかなり非等速が緩和されていると思われます。(Sカーブ上が少し疑問ですが)
2. Posted by YUNO   2018年12月02日 14:54
2つの台車に乗せる冗談のアイデアですが、カーブの出入口などで不等角になってしまうという問題は残りますね。
3. Posted by EF5845   2018年12月03日 19:42
「モーターはもう一つの台車に」は
HOですがT堂のFシリーズディーゼルが採用しています。
台車上に固定された棒形モーターから
スパー1段で落とし2軸それぞれウォーム伝動、かつ
ユニバーサルジョイントでもう一つの台車に。
位相に関してはNGですが・・・
http://odakker.junkhub.org/diary/?date=20121118

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
Recent Comments
Archives
Categories
  • ライブドアブログ