2018年10月16日

続 鉛活字

 鉛は錘としてよく使われる。しかし融点が高い。328 ℃である。木材で鋳型を作ると、300 ℃を超えるので焦げて臭い。
 もう一つ具合が悪いのは、固まると体積が1割ほど減少するので、鋳型を工夫しないと思う形の物ができない。

cast lead and type metal この写真の手前のブロックを見て戴きたい。直方体の鋳型に、何も考えずに注ぐとこうなる。下から固まるので、上面は凹み、側面は内側に倒れ込む。これを防ごうと思うと、上からピストン状のもので押さえながら固まるのを待たねばならない。文字にすると簡単だが、やってみると極めて難しい。
 あるいは上に長く作って、下だけを切り取って使うかである。この方法を「押し湯」と言う。

 後ろにあるやや面倒な形のブロックは活字金で作ったものである。何も考えなくても思った通りのものができる。活字金は鉛80%、アンチモン17%、スズ3%からなる。この配合は絶妙な組み合わせで、固まるときに僅かに膨らむようになっている。即ち活字を鋳造する時、型の中の隅ずみまで金属が行き渡り、正確な活字を鋳造できるようになっているわけだ。

 今野氏は活字のブロック(正確にはインテルという)を接着して切削しているが、正確な鋳型を作って流し込むと、作った本人がびっくりするほど素晴らしいものができる。融点も低く 240 ℃であるから気楽にできる。臭いもせず、簡単だ。
 筆者の経験では、バルサ材の10 mm厚ほどのものを、釘で固定し、針金で縛ったものが良い。長いウェイトを作るときは縦に深くすると良いのだ。真四角のものができる。先回の写真の左手前のがそれだ。必要な分だけ切り取って使う。
 融かすのは、ステンレスのおたまが良い。叩いて、注ぎ口を作っておく。

 鋳造はコンクリートの土間の上ですると良い。室内でやると、こぼれた時に甚大な被害が生じる。
 鉛の害が喧伝されているが、ウソが多いことが分かっている。鉛活字を長年触っていた植字工が鉛中毒になったわけではない。珍しくWikipedia にはまずまずのことが書いてある


コメント一覧

1. Posted by YUNO   2018年10月17日 21:20
横口レードル(注ぎ口の付いたお玉)は廃品等利用で自作しても良いですが、最近では100円ショップでも購入可能です。お店や入荷ロットによって形状が少しずつ違うので、多少の修正は必要かもしれません。
2. Posted by mackey   2018年10月17日 21:39
dda40x様
ちょうど私も錘の自家鋳造を考えていた処で記事を拝見して早速トライしてみました。バッチリです。世の中ではシリコン型の記事が多数有りますが外観をさほど気にしない錘であればバルサ材t10で十分なのですね。
3. Posted by たづ   2018年10月17日 23:51
最近活字金もネットオークションに出ています。「○○地方限定」と多分同じ出品者が違う地方向けでいくつも出されているようです。ただ、重量単価はは高いのですが。
補重のほかに、このメタルで床下機器その他装飾パーツを作るのはありでしょうか。
4. Posted by dda40x   2018年10月24日 07:43
鋳型を正確に作って、押し湯(本文中にもある背の高い湯口)を付ければ良いものができます。やってみてください。お金もかかりません。
5. Posted by dda40x   2018年10月24日 07:48
YUNO様
既製品があればそのほうが楽ですね。

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