2018年09月14日

曲がったブラス板を平らにする

 薄いブラス板を落として、角がくしゃくしゃになった経験はないだろうか。ペンチで修正しても、細かい凹凸が残っている。普通の方法では直らないから、新たな材料で作るしかない。

ヤスリによる塑性変形の応力 昔、伊藤剛氏に教えて戴いた方法を紹介する。とても簡単な方法である。平面を見せたい方の面を下にして傷の無い金床の上で粗いヤスリを被せて、叩くのだ。もちろんヤスリを普通のハンマで叩くと傷が付くし、ヤスリも折れてしまうかもしれない。筆者はゴムハンマで叩く
 剛氏のオリジナルの方法は、ヤスリと共に万力で挟むということであった。筆者の万力の口金は模様があって、それが転写されてしまうから、傷の無い金床の上で叩く。もちろん、傷の無い鋼板と粗いヤスリとで、挟んで締めても良いのだ。少し伸びて大きくなるから、縁は削って修整する必要が生じるが、平面が戻る。この方法は、星打ち(七子目ならし)と呼ばれるらしい。

 理屈は一言で言えば、なるべくたくさんの部分(体積にして)が、塑性変形の応力を受けるようにすることである。ヤスリの尖った部分がブラスにたくさん突き刺さって、どこもかしこも塑性変形するわけだ。ペンチで曲げても部分的にしか応力は加わらないから、一部しか変形、修正されない。だから、へなへなのままである。

nanako 精密機械やメータなどの測定機の中をあけると、ベースになる金属板に無数に細かい傷がついているのをご覧になった方もあるだろう。あれこそがこの方法が応用された実例であるとのことだ。平面の板が必要な時は、この方法を使う以外ないのだ。

 この話を剛氏から教えて戴いたのは、30年以上前のことである。時々やるが、とてもうまく行く。紹介記事を書こうと思ったが、どんな絵を描こうかと迷っていたところ、名古屋模型鉄道クラブ会報の、古い記事を再録する作業をされている濱島氏からオリジナル記事を送って戴いた。 早速絵を描き直して紹介した。

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