2018年06月16日

O Scale West での講演 4

Hidden Yard bird's eye view 200輌収容の隠しヤードの写真を見せた。曲がっているのが格好良いとの評判であった。そこでカンザス・シティの話をすると、
「そうだ。あそこだ。」と相槌を打つ人が居た。やはり見ている人は見ているのだ。

image (18)frog number ヤードの入り口 (throat; 喉という意味)の部分の角度について話した。この図はとても分かり易いそうだ。市販品のYポイントを使うとうまく行かない話をした。皆、なるほどという顔をした。雑誌に載せるべきだという声が上がった。

wye switch and ladder 市販品を組合せると妙なことになるから、型紙を二枚の型紙から合成したのは良いアイデアだ、と褒めてもらえた。
「これなら絶対に合う。」と面白がった。このアイデアは簡単にして、確実な物なので、評判が良い。一見高級そうに見えるアイデアも、破綻することが多いからだ。この種の話は、実際にレイアウトを作っている人が多いので、興味のあるところなのであろう。その点、日本とは大違いだ。日本では机上の空論をとくとくと語るだけで終わってしまうこともあるが、実際にやってみるとそれだけでは済まないこともあるのだ。

quiet track 次に話したのは道床である。例のコルクがダメな話をするにあたって、現物を用意した。組立式で 2 m の線路を用意した。半分はコルク、残りは例のPVC道床である。眼の前で貨車を押して音を出してみると、あまりに違いに騒然となった。写真は終了後残った人たちの様子である。手に持っているのは等角逆捻りの現物で、
「magicだ。」と評判であった。

 コルクに効果があると信じていた人は多い。Homasote という古新聞を厚さ数十mmに固めたものもあるが、これまた殆ど効果がない。現物を持っているが、さすがにそれは持って行けなかった。ホマソートは密度が大きくないので、効果は薄いのだ。

「コルクはどうして駄目なのか。」
という質問があった。逆に、
「車の床下などに防音用にコルクが使ってあるなら教えて欲しい。たいていはゴムかPVC(ポリ塩化ビニル)、あるいは鉛のシートでしょう。」
と聞くと、皆なるほどと思ったようだ。さすがに車の国である。単なる先入観か、間違ったうわさを信じているだけのことだと分かったのだ。prejudice 先入観という言葉を出すと、どよめいた。

 売ってくれないかという打診もあったが、さすがにこれは重くて送料がかさむ。
「アイデアは差し上げますから、事業化してください。押出ノズルは$1000ドルくらい、材料は1ヤード(1m弱)当たり50セントもしないでしょう。たくさん売って金を儲けて、その1/4ほど戴ければ十分だ。」
と答えたら、一人がやってみたいと言うので、サンプルはそのままお渡しした。どうなるだろう。 
「私はサイエンティストなので、『本に書いてありました。』、『専門家が言っていました。』などということは全く信用しない。すべて実験に基づいて決定している。」と言うと、大拍手であった。シリコン・ヴァリィの人たちは科学者が多いからだろう。


dda40x at 06:16コメント(6)分岐 | 線路 この記事をクリップ!

コメント一覧

1. Posted by 一式陸攻   2018年06月16日 08:56
薄いコルクやスポンジにも吸音、防音性があると思われた起源が気になります。
多孔質であれば無条件で吸音するという印象でしょうか。
コルク、スポンジ道床は未だに売られていますが効果がないということはそれを確かめることなく売り始めたのは驚きです。
2. Posted by dda40x   2018年06月16日 21:41
私が鉄道模型に興味を持ち始めた1960年頃、HO道床の種類として、
朴材道床に紙枕木を敷いてレイルをスパイク、枕木彫刻木製道床、コルク道床にフレクシブル線路という三つの方式が紹介され、最後が静かで最高級とありました。
どれも大して変わりはありません。実験はしてないはずです。
コルクを使うのはアメリカからの伝播です。彼らの誰も実験をしていないのでしょう。
アメリカで3/4インチ(19 mm)のホマソートを使い始めたのは1970年代からです。効果があるというので見に行きましたが、あるとは思えませんでした。そのうちどんどん厚くなってきて、3インチ半くらいのものまで使い始めました。ここまで来ると重いので多少効果があります。
ゴム、PVCは3mm以下で大変大きな効果があります。どなたかオーディオに強い方が、客観的な観察結果を発表されると良いでしょう。
と同時に公正取引委員会にその結果を持って優良誤認で告発されると良いと思います。現在の状態は違法と言ってもおかしくないと思います。
音の問題は道床以外に車輪の精度が大きく響きます。めっき車輪やプラスティック車輪を使っている方は気が付きにくいと思います。
3. Posted by たづ   2018年06月17日 11:54
2点伺いたい点があります。
まず、PVCについてなのですが、2〜3mm厚でそれっぽいものというと、大衆食堂のテーブルクロス代わりや事務机の上の敷物になっているものが、ホームセンターでロールのまま、計り売りされているものがそれのような気がするのですが、どうなのでしょう?質感は似ていて、分量の割に廉価ではあります。
次に、HO以下のプラ道床線路は、分解収納の容易化のためほぼ例外なく中が空洞です。素材は買ってきたもののなかなか試せていないのですが、収納時の嵩を増やすことと引き換えに道床内部の空洞をシリコンシーラントで充填するテストをしてみたいと思っていますが、有効な策でしょうか?
というのは、この方法だと、道床の下端のプラがそのまま路盤面である床やテーブルの上に直付けなのは変わりませんので。
4. Posted by dda40x   2018年06月19日 09:05
ゴムは薄くても効果がありますから、消音はゴム状物質との接触部で起こると考えています。フレキ線路を接着剤で貼り付けると効果が少ないので、中に完全に充填すると効果は少なくなるのではないかと思います。
離型剤を吹いて充填し、剥がした後、細かな砂状物質を撒いて嵌め込むなどの工夫が効果を生むかもしれません。
実験の結果をお知らせ下さい。
5. Posted by YUNO   2018年06月19日 13:23
昭和時代にコルク道床が選ばれた理由は、なんとなく錆びたバラストに似ていたからではないでしょうか。
昔の模型はモーターもギヤもやかましく、車輪や線路の精度も高くありませんでしたから、静かさにこだわる人は少なかったと思います。
6. Posted by dda40x   2018年06月28日 06:10
確かにどの機関車も電車もジャージャーという音を出して走っていました。
静かに走る機関車を見たのは、祖父江氏の機関車が初めてです。するすると走るのを見て驚きました。聞くとウォームを研削したというのです。それと大きなモータで低ギヤ比にしていました。

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