2018年03月29日

端数処理

 Fortyniner は1939年頃、毎週日曜日の朝10時にシカゴを出て、火曜日朝の10時過ぎにサン・フランシスコに到着する特急だった。もちろん蒸気機関車牽引だ。一時期、流線形の機関車が充てられていた。

 たまたま、この2輌の詳細な図面集を持っている。それによると窓幅は 2 ft 8-1/2 inという数字が良く出て来る。(2 + 8.5/12)x 304.8 ÷ 48 =17.1979 mm となる。これをそのまま使うわけにはいかない。
 祖父江氏はすべて 0.5 mm 刻みで図面を描いた。
「なーに、人間の眼は0.5 mm以下は分からねえんだよ。0.2とかの数字を入れると大変だし、無駄なんだよね。」

 この話をすると、ムキになって、
「僕は0.5と0.6のドリルを眼で識別できる。」
と言う人もいたが、それはできて当然だ。1割以上も違うのだからわかるだろう。
 ここでの問題は、20 mm位の大きさのものに0.2 mmという数字を、足しても足さなくても、見た目にはまったくわからない、ということである。0.4だったら0.5にし、0.8だったら1とすればよいのだ。工作上もそのほうがずっと楽である。

 全部の数字を0.5刻みで出して足し算し、全体の寸法があっているかを確認する。たいてい 1.5 mm 程度狂っているから、どこでごまかすべきかを決める。対称性のある場合は対称を保つようにごまかす。
 窓の角は丸いから、その丸味のエンドミルを持っているかどうかを確認する。側板は所定の幅で大量に切ってあるから、それをジグに挟んで窓を切り抜く。DROあればこそである。あっというまに多数の窓を切り抜いてできあがりだ。

 同じものが多数あれば、レーザのお世話になるが、1枚きりならDROが早い。  

コメント一覧

1. Posted by ゆうえん・こうじ   2018年03月29日 18:01
人間の感覚は、長さだけではなく絶対値より割合に対して敏感だと思います。だからおっしゃるように、元の数値が、2mmと20mmでは同じ0.5mmの差でも全く意味が異なると思います。

祖父江氏はすべて 0.5 mm 刻みで図面を描かれたそうですが、Oゲージではそれで十分でしょうが、HO/16番ならやはり0.25mm=1/4mm単位でやらないと、窓柱などは気になると思います。

おなじ模型工作でも、下回りは機械工作なので絶対値を重視すべきだし、上回りは造形工作なので割合を重視して、作るのがよいと思っています。
2. Posted by Tavata   2018年03月29日 18:04
結局は相対的な寸法の比率ということでしょう。
0.5mm刻みというと絶対値としては粗く見えますが、同じ比率でHOなら0.25刻み、Nなら0.15刻みになりますので、Oスケールでこの刻み幅が十分な分解能であると納得できます。
累積誤差をどこに吸収させるかという点こそ設計者のセンスが如実にあらわれる箇所だと思います。
3. Posted by dda40x   2018年04月12日 22:25
コメントありがとうございます。
もちろん祖父江氏はギヤボックスは0.1mm単位で作っていました。
4. Posted by たづ   2018年04月13日 20:53
縮尺の違う模型への図面の流用の仕方にも、コツがありそうですね。1/80から1/87への縮小(92%縮小)や逆に1/45への拡大流用(80%縮小から111%(1/2図)または直に222%で177.6%)の場合、1回10円(店によっては5円)のコンビニコピー機で一応出来てしまうのですが、小数点第2位の端数がどうしても出ます(原図が1/80で、実物でも80mmしかない窓柱の1/87での「0.92mm」をどうしようか、としばらく考えていました)。
これを丸める際のセンスが、車体部分の出来栄えに響くのでしょうね。

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