2018年02月03日

Z軸 DROの取り付け

Z axis DRO フライス盤の改良工事を終わらせておかないと、転車台のちょっとした部品の製作にも支障が出る。切込み深さ方向のディジタル表示器が必要であるが、クイル部分が本体とは別に微妙に回転するのが困ったものである。
 クイル quill とは鳥の羽の軸部分を指す言葉で、要するに中空軸のことだ。電気機関車にもクイル駆動がある。中空軸があって、中で別の軸が回転するようなものを指している。このフライス盤は設計が拙くて、少しだが、上下するクイル全体が廻ってしまう。中央の太いスティールの丸棒が廻るのだ。考えられない間抜けな設計で、廻らないようにするのはとても難しい。

Z-axis DRO3 クイルが回転すると、取り付けたDROが捻じれてしまう。クイル表面の円周上で0.3 mm程度の動きである。当て金を作って、そこに当てて変位を検知しても良いが、仕上面の精度で0.02 mm程度はばらついてしまう。

 支点を遠くに持っていって、微妙な角度の動きの影響を無視できるようにしてみた。長い棒を立てたとして、先端を少し振らせた時、高さが測定できるほど変化するか、を考えればよい。
 取付け位置はクイルの外周上より少し遠いところにある。200 mmの棒の先が、0.2 mm左右に振れると、概算で背の高さは0.0002 mm弱低くなる。DROは0.01 mmの差を拾うので、全く影響はないと言える。十分に近似は成立しているのだ。
 
Z-axis DRO2 この棒は2x4 mm のブラス平角棒で、左右の剛性はほとんどない。前後にはやや曲がりにくいが、多少は撓むので2x2の支えを入れた。これはよく効くブレイスで、後ろには全く撓まなくなった。しかし左右には自由に撓む。
 落として使えなくなったノギスのクチバシを切り落とし、ネジで留めた。デプスゲージ部分を上にして、ハンダ付けした。あらかじめハンダめっきしておいて、炭素棒で 一瞬でくっつける。ネジの本数を減らして、接着剤で補助している。

Z-axis DRO4 ノギスの切り落とした少しの出っ張りを、フライスで削り出した部品で押えている。下の台形の断面のブラス隗は、その辺にあった切れ端を使っただけで、形には全く意味はない。
 クイルを最大限捻じっても、読みには全く影響しない。それは成功なのだが、上に突出しているので、コレットの引きネジを廻すのが少々やりにくくなった。左手でやれば済むことではある。引きネジを廻さない方法を考えるべきかもしれない。
 一方、短くすると、かえってうっかり引っ掛けやすくなるようにも思う。しばらく考えて、結論を出そう。

コメント一覧

1. Posted by にゃんこのおひげ   2018年02月03日 10:40
ノギスの深さ測定部を使うのは凄いアイデアですね。
これならうちのプロクソンにも使えるかも・・・

以前仕事で使っていたフライスにはZ軸はDROの代わりにダイヤルゲージになっているものが有りました、0点あわせがけっこう面倒でしたが少ない移動量の時にはけっこう使えました
2. Posted by dda40x   2018年02月04日 21:19
肝心なところが回転してしまうという、どうしようもない設計なので、その回転をどこで逃がすかということです。
せっかく長い棒が出ているので、それを有効利用してみたまでです。この部品は剛性があるので、相手が撓み、捩じれます。
と言ってもほんの少しですから、近似すれば何もなかったことになります。回転を止めるという唯一絶対の解を選択せずに、これでもいけるという案を採りました。これもプラグマティズムです。

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