2017年12月21日

正しい3条ウォーム 

triple thread worm 先日友人に見せてもらった3条ウォームは、正しい設計であった。実はその存在を20年以上も知らなかった。

 日本製のフランス型機関車である。有名なPacific231という機関車だ。これをばらしたものを見せてもらった。ギヤボックスはダイキャスト製で、中にはブラスの細いウォーム、POM(いわゆるアセタール樹脂、商品名ではデルリン)のウォームホィールが入っていた。歯数は40であった。互いに素である。

gear box ギヤボックスを見て驚いた。そのマークはどこかで見たものである。Asterではないか。アスターはもともとキャッシュ・レジスタなどの精密機械を作っていたので、技術者をたくさん抱えていた。そういう人たちが作ったのだから、正しいものを作れるのは当然、と言えば当然である。その辺の模型屋には無理なのも、仕方ない。

 アスターがこのギヤを採用したのは、おそらく電動の1番蒸気機関車の駆動に必要だったからだろう。押して動くことに、価値を見出したのである。押しても動かない1番ゲージの蒸気機関車を想像すると良い。そんなものは意味がない。
  大きな重い機関車だからこそ、押して動くということに意味がある。HOサイズの人たちがあまり興味を示さないのは、そこに原因がある。
 
 このギヤボックスにはスラスト・ベアリングが入っていない。精度高く作れば、要らないのである。普通のラジアル・ボールベアリングでも、かなりのスラスト(軸方向の推力)を受けられる。押されたときに拡がらないように、外側を支える部分を正確に作ってあれば良いのだ。筆者が最初作った物は挽物のハウジングで、ガタを見越している。そういう設計の時は、スラストを確実によそで受けておかないとまずいのである。後にCNCで精密に作った時はスラスト・ベアリングを排除した設計にした。非常にうまく動く。

 ともかく、1番用をOスケール用に転用したのだ。逆駆動は簡単にできる良い設計である。ただ、モータは高級なコアレスを使わないとダメである。これがいつまで経ってもわからない人が、一定割合存在するのは残念だ。

トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by 01175   2017年12月22日 16:27
「もう一つあった」と仰ったのはアスター製だったのですね。てっきりKATOのHOのE5系新幹線に使用されている3条ウォームかと思っていました。私は現物を見ていないのですが、勾配に置くと「流れる」こともあるようで押して動くことは確実なようです。

HOサイズで押して動くものが普及しない理由のひとつとしてサイズ的にモーターのトルク勾配が大きく小さなギア比がとれないこともあると思います。
2. Posted by dda40x   2017年12月23日 09:55
KatoのHO製品にはかなり使ってあるそうですね。
モータがどんなものかは存じませんが、逆駆動できるという話を聞きました。
おっしゃるようにHO用のモータは高回転のものが多く、そのあたりについては、製造業者の勉強不足が露呈しています。
HO用でも低回転高トルクの良いモータはあります。CanonのEN-22、ミネベアのSE15などです。これならギヤ比が小さくできます。おそらく7:1程度でよいでしょう。低ギヤ比は高効率をもたらします。 但し、コアレスではありませんから逆駆動は難しいかもしれません。
コアレスならEscapのΦ18の低回転モータがあります。これは高トルクでHOの大型機関車でも出力が余ると思います。いくつか余分がありますからお試しになりますか。
3. Posted by ゆうえん・こうじ   2017年12月23日 15:04
katoのはやぶさ用動力ユニットは私も興味があるので買っていました。三条ウォームがついていますが、なぜか相手が普通の平ギアです。車輪をまわすとモーター軸が回りますが、かなり抵抗はあるので逆回転を意図したものではなさそうです。モーターは、細いコアレスがついています。

4. Posted by YUNO   2017年12月23日 23:54
国内メーカーのHOやNゲージは、昔からウォームの相手が平ギヤの製品が多いですね。斜歯では製造コストが上がるのも理由の一つでしょう。
5. Posted by dda40x   2017年12月26日 21:12
ウォームホィールを斜めにしないというのは、かなりおかしな話です。
それでも動くからいいや、ということなのですね。KATOのようなLeading makerがそんな調子では、他も真似をしてしまいます。
押して動くというのは、非常に面白いものです。3条ウォームを使っているのなら、あと少しでできるので、やるべきでしょうね。特に機関車にとっては大切な機能です。
6. Posted by 01175   2018年01月08日 03:51
S社の商品名「コースティングギア」(30:2)で有鉄芯モーターを試してみましたが逆駆動は無理なようです。普段、このギアにはEN-22よりトルク勾配が小さいコアレスのLN-15を使用していますが平準化直流を印加する限りでは低速(動輪軸で6~10rpm付近)が不安定です。Maxonの108356901-0001で満足できる結果を得ていますが、日本型16番ではC62でもバックプレートを突き抜ける長さなのが難です。EN-22やSE-15では普通のウォームによる1:30でもこの付近の低速がより不安定か不可能ですが、特性表上はEN-22に近似しているマシマの1830では動輪軸6rpm付近でもかなり安定しています。有鉄芯モーターの場合、モータ軸200 rpm付近でのトルクは、特性表から読み取れない部分があるように思います。

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
Recent Comments
Archives
「最新トラックバック」は提供を終了しました。
Categories
  • ライブドアブログ