2017年11月23日

等角逆捻り機構のあり方

 先回で、T氏による解説が終わった。
 客観的であって、自説を売り込もうとか、俺は専門家だぞ、というところが全くない素晴らしい考察であったので、掲載させて戴いた。これで、この範疇のことは一応の決着が付いたように思う。小難しい学術用語は極力排除して戴いてあるので、誰にでも読めると思った。
 本来、こういう原稿はTMSに載せるべきであったが、もうすでにそういうこともできなくなりそうだ。

 過去に何回も論じたことだが、イコライザとバネは切り離して考えるべきである。議論の前に、ルールを決めなければいけない。自分の都合の良い方向に話を持って行くために、異なる次元のものを持ち込もうとする人がいるからだ。

 弾性梁というものを持ち出したい人もいるが、それは「バネ」と「イコライザ」を同時に用いている。
 世の中のどんなものも、完全な剛体ではない。しかし剛体と考えて理屈を考えようと言っている。その部材は多少撓むのなら、そのファクタを、別に「バネ」として考えるべきだ。しかし、模型のように小さなものは、事実上剛体として考えて良いのである。ヤング率が一定だから、モーメントが小さい時は曲がらないと考えて、何ら問題ではない。
 「バネ」は曲がるような形に作られている。コイルバネをよく見て戴きたい。細かく見ればよく分かるように、原理はトーション・バーなのだが、それを極端に長くしてあって、微小区間での捩じりは目に見えない。しかし全体では、その総和としての伸びが観察できるほどになっている。

 さて、天秤棒…は作ってみるまでもなかったが、簡単な実証モデルを作ってみた。作動状況は極めて良くなかった。「使い分け提案」にもあったように、車体の慣性モーメントの小さな、軽いモデルには使えるのかもしれないが、Oスケールでは全く駄目である。車体がプルプルと小刻みに振動し、おもちゃ以下の状態である。
 バネで台車を留めた車輌は、この天秤棒…と力学的に等価であるが、調整すれば良い走りを示すし、揺れ加減も具合が良い。ダンピング(振動を減衰させること)のおかげである。
 普段ダンピングを考えない人は多いが、それは摩擦の多い模型が大半だということの裏返しなのである。摩擦を減らすと、ダンピングが必要であることが分かる。
 理屈をこねるばかりでなく、実証モデルを作ってみられたい。しかし、それをしない人が多過ぎるのである。実験は大切だ。 

 コメントを寄せて戴きたい。

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コメント一覧

1. Posted by T   2017年11月25日 09:55
レポート掲載ありがとうございました。お褒めいただき恐縮です。

今回のレポートでダンピングの議論は上手く組み込めませんでした。
ダンピングは運動エネルギーをジワジワ減衰させるものですので、そもそも運動エネルギー(重量と速度の二乗の積に比例)が極小の小型模型ではダンピング調整が非常に難しくなります。
HO以下の小型模型ではダンピングを意図的に設けたくても「0か1か」、つまり摩擦を可能な限り小さくするか、すぐに止まるほどに強くするかしか選択できません。
しかも、ダンピング「0」を狙っても、実物に比べれば、ダンピングというよりもブレーキングといえるレベルのダンピングが残ることが往々にしてあります。
バネの内部損失など、実物では積極的なダンピングを意図しない要素も模型には大きな影響を与えること、
模型の調整精度が高くないことの両方が原因と考えられます。

例えば、集電ブラシを付けると転がりが悪くなる客車など実物ではあり得ませんが、
模型で幾ら調整精度を上げても、集電に必要な接触を求める以上は摩擦が残りますし、その摩擦損失と運動エネルギーの比率まで実物と同じにはできません。

dda40x氏のOスケール以上になって、やっとダンピング調整が意図的に可能な範囲になるのではないでしょうか?
2. Posted by dda40x   2017年11月27日 20:44
確かに小さな模型ではダンピングを有効にしようと思うとかなり難しいでしょうね。
しかし、懸架装置のダンピングがないと、ふわふわして変な動きです。
既製品の蒸気機関車は、主動輪がコイル・バネ支持だったので、よく揺れました。ペデスタルに固めのグリースを塗ってダンピングしたのが最初です。その後重ね板バネにすると、極めて調子が良くなりました。
先日作ったOld Black Joeは二軸ですが、実に調子よく、どっしりとした走りを示します。重ね板バネだからです。
30年ほど前にOJの二軸貨車を作ってみたときも、三点支持イコライジングをやめて重ね板バネを付けたら、あまりにも静かで友人がびっくりしていました。何でも試してみるものです。

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