2017年04月28日

集電ブラシ

 今野氏のブログでしばらく前に話題になった件である。

 ブラシをどう作るかである。接触させる部分の構造を、皆さんあまり考えていないように思う。コメントに少し書いたのだが、本論に入る前に、打ち切られたのでその続きを書くことにする。

leading and trailing ブラシの接触圧は回転方向で力の掛かり方が変化する。これもリーディングとトレーリングの考え方である。バイクに乗っていた人はこの言葉をすぐ理解するだろう。要するに、押すか、引きずるかである。左の図は二軸貨車のブレーキを模式的に描いたものである。
 回転方向によって、ブレーキ・シュウが食い込むか、それとも逃げて行くか、という差が出る。シュウをぶら下げている支点がどこにあるかで、加えた力で生じる摩擦力が変化する。深く考えると、シュウのどの部分を押すかによっても変わってくる。

leading & trailing 丸いものは考えにくいので、円周の中心を無限遠に持って行くと平面になる。掃除をするとき、モップを押す(1)のと、引く(2)のとでは力の掛かり方が数倍違うことがある。支点を下げて床と平行にすれば、押し引きでも全く変わらない。つまり、円周で言えば、支点を接線上に置く(3)ことである。様々な模型を見るが、そこに気を付けている模型はまず見ない。これを守らないと、前進は良いが、後退時にガリガリ音がすることがある(その逆もある)。

 大きな模型では集電ブラシを板で作り、その先にニッケルを貼る。接触点を増やすために先端を櫛状にする。この櫛状にする方法はEscapのコアレスモータに使われている。ニッケルがなぜよいかは決定的な答はないが、適度に硬いこと、融点がかなり高いことと、酸化被膜に多少の通電性があり、それが取れ易いことだろう。この知見はアメリカやヨーロッパ製の製品から来たものと思われる。
 筆者の父親は、「当然だ」と言っていた。何が当然だったのか聞いておくべきであったが、もう遅い。少なくともステンレスの酸化被膜は硬く取れにくい。
 最近は銀合金が使われるようだ。 

コメント一覧

1. Posted by YUNO   2017年04月28日 12:17
プラモデル用のFA-130モーターも、大昔から整流子のブラシが細い櫛状になっていました。1本1本がとても細いため、組み立てる時に引っ掛けないよう注意する必要がありました。
2. Posted by brass_solder   2017年04月29日 07:43
素人考えで申し訳ありませんが、
お示しの図 二軸貨車のブレーキとモップは 腕 と 靴 が関節で結ばれていますのでリーディングトレーリングを理解し易いと思います。
しかし模型の車輪に当てる集電ブラシやモーターのブラシには関節が無く点で接触しています。
この場合にはリーディングトレーリングの作用をするのかな?と思いました。
たとえば0.3ミリの線で作った集電ブラシを車輪の裏に当てた場合は回転方向によって位置がずれ易いですが、それは単に丸線だから引き摺られて曲がり易いだけなんじゃないでしょうか?
3. Posted by dda40x   2017年05月02日 06:10
関節があってもなくても、要は圧力によって生じる摩擦力以上のものが生じるかということです。図をよくご覧になると、理屈がお分かり戴けると思います。

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