2017年03月19日

英語表現

 英語の記事を紹介してすぐに、質問を複数の方から戴いた。皆さん、よく見ていらっしゃるので驚いた。
 p.31の下から8行目に、
"No one was able to do what he did."
という文がある。どうしてここでcanの過去形の could を使わないのですか、というものだ。

 日本の英語教育では、canの過去形は could と習う。私もそう習ったが、アメリカで手厳しい批判を受けた。could は仮定法の時に使うものだ、と言うのだ。そんな馬鹿な、とは思ったが、確かにその通りであった。
 仮定法を英語の時間に習って、うんざりした人も多いだろうが、婉曲表現とか反語表現などの別の表記だったら分かり易いと思うのは、筆者だけだろうか。

 You could do that. は 「あなたはそれをできた。」ではない。 「できるかもしれない(けど、多分しない)。」という感じである。場合によっては、なじっているのかもしれない。

 過去の話であることが時間の関係を示す語でわかる文章なら could でよいが、そうでないときは、
I was able to do that. 私はそれができた。  
である。このことを日本の学校ではほとんど教えていないように思う。

 ついでに、よくある誤りとして、「やったね!」という誉めるときに使う言葉を、
”You could do it.” と言う人がいる。これでは「やればできるものを(どうしてやらないの?)。」になってしまう。
 正解は、”You did it."
である。 これは厳密に言うと、仮定法過去で、「できないと思っていたけど、よくぞやったよね。」という意味を持っている。単なる過去形ではないが、この説明をした人に会ったことがない。
 日本の英語教育で最も怪しいところが、この仮定法の部分である。英語教師もわかっていないと思われる節がある。 要するに話せない人が英語を教えている場合が多いからだ。

コメント一覧

1. Posted by きんぎょ/中澤   2017年03月19日 11:57
いや50年以上前ですが、学校で canの過去形には was able toを使え、と習いました。婉曲表現については十分に教わっていないですね。Would you pleaseとか学校で習った覚えがないですが、実際に英語で話すときに一番大事なのはこの辺りなような気がします。have, take, getといった簡単だけれど大事な動詞も日本の教育では軽視されているように思います。

2. Posted by dda40x   2017年03月19日 19:03
その英語教師は優秀な方ですね。
私の友人に聞いて回ったことがあるのですが、canの過去形はcouldと習った人ばかりでした。
もっとひどいのは、「英語には敬語表現がない。」と言い切った英語教師が何人も居たことです。
 丁寧語、へりくだった表現などいくらでもあります。ほとんど仮定法を使いますね。

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