2016年12月23日

ED14の台車

ED14 equalizer 読者の方から、この連載が始まってから現場まで行って撮影した、という写真をお送り戴いた。掲載の許可も戴いているので、予定を変更してお見せする。
 見事に2本のピンがあるのがわかる。距離が近いので効果は少なそうという感想も戴いたが、そんなことはないと思う。心皿の中心との三角形を考えれば十分に機能している。

ED14 trucks この角度から見ると、イコライザは台車と平行である。即ち、傾きはない。イコライザはアメリカで発達した。イギリスの機関車で、(蒸気機関車を含めても)イコライジングを採用したものは極めて少ない。日本に輸入されたED17にも、イコライザはない。バネ材が優秀なのだろう。

 イギリスは大規模な土木工事で、線路をほとんど真っ直ぐに敷き、勾配を減らした。また保線状態が極めてよかった。それに引き替え、アメリカは未開の土地に猛烈な勢いで線路を敷いたので、保線は劣悪で、その線路に追随するためのしなやかな車輛を要求された。また、バネの鋼材の質も良くなく、折損の危険を減らすために、イコライザが必要となった。このことは椙山 満氏から何度も伺ったし、井上 豊氏からも体験談をお聞きした。

 おそらく、この2本ピンの方式はその中の試行錯誤から得られた「体験知」であろう。ベストの解ではないが、「これでうまく行く」という方法を採ったのだ。これはまさにプラグマティズムである。
 プラグマティズムは哲学の一分野であるが、それは何かと説明を求められても、筆者にはうまく一言で説明できない。簡単に言えば、「唯一絶対の解を求めなくてもよい。」ということだろう。この2本ピンの方法は、教条主義で理論派の人からは、「あるまじき発想」と攻撃されるだろうことは、想像に難くない。しかし、これでほとんどの場合はうまく行くのである。それならそれで良いではないか、ということだ。現実にこの機関車は日本にやってきてから何十年も問題なく働いてきた。  

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コメント一覧

1. Posted by YUNO   2016年12月23日 23:48
大正時代に輸入されてから、近江鉄道で貨物列車が廃止されるまで60年以上も本線で走り続け、途中の廃車や台車の振り替えもなかったという事実があるのですから、この構造で実用上の問題はまったくなかったと言ってしまっていいでしょうね。
2. Posted by YUNO   2017年04月29日 21:30
ふたたび近江鉄道ミュージアムへ行ってきました。
今回は開館日を調べて行ったので、機関車に近寄ることができました。

そこで判明したことなのですが、支点の軸受けの中にはもう一つ部品が隠れていて、2本のピンは中の部品を押さえているだけで、隠れた部品でイコライザーは1点支持されているように見えました。

博物館の係の方に図面はないかと訪ねたのですが、見た覚えはないとのことでした。

余談になりますが、富山県の立山砂防軌道には、本当に2点支持のイコライザーを備えた電気機関車が走っていました。

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