2016年08月23日

Atlantic

Greenfield Village (32) このアトランティック 4-4-2は出発時の牽引力を一時的に増すための装置を持っている。文字通り、traction increaser と呼ぶ。従台車のイコライザ中心穴が上下に長い。長穴の上は親指が入るくらいの隙間がある。

Greenfield Village (4) 下から覗くと、蒸気シリンダが2本下向きに取り付けられている。テコでイコライザの動輪に近いところのピンを押し下げるようになっている。そうすると第二動輪の軸重が3割くらい増す。機関車は後ろが持ち上がり、妙な姿勢になるが、短時間のことである。加速する間はこの姿勢を保つ。機関士の乗り心地は良くないだろう。これは以前図示したので、覚えていらっしゃる方もあるだろう。筆者は、理屈は承知していたが、現物を見るのは初めてだった。図面はp.202にある。

 機関庫内にいたcurator(日本語では学芸員)に、この装置のことを聞いてみた。多分知らないだろうと思っていたのだが、実に正確にその機能を説明してくれた。その瞬間に機関車の姿勢が変わることまで知っていた。さすがはヘンリィ・フォード博物館である。

 博物館はキュレイタで持っている。能力のないキュレイタしかいない博物館は、「仏作って魂入れず」である。日本の博物館には、不合格点しか付けられないものがかなりある。

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コメント一覧

1. Posted by たづ   2016年08月26日 21:22
これと全く同じ原理の仕組みがD51のうち1台だけ戦後に試験的に取り付けられた、という記事が40ウン年前の交友社刊「SL」に載っていましたが、時系列的に見てこれを参考にしたのかもしれません。
逆向きに(軽くする方向へ)使っていますがC62・D62の軸重変更も同じ理屈なわけですし。
ただ軸重の上乗せ割合が全部で1トン程度(全体で55〜60トン程度のうちの)と、このアトランティックに比べると甚だ頼りないのは、日本の鉄道の宿命ですね。
2. Posted by dda40x   2016年08月29日 06:48
イコライザ方式ですと、テコ比を変えるだけで軸重を変化させられます。軸間のテコ比も多少変える必要があるかもしれません。
日本のような低軸重の線路では3割も大きくすることはできず、あまり意味がないでしょうね。

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